マハラージャン「ふざけてて格好いい、オモシロ音楽とは違う」
◆「アップデートされている音楽が好き」
──フェイバリットに挙げているダフトパンクとかジャミロクワイの影響もあるんですか? ジェイ・ケイもちょっとおどけた、予測不能なキャラクターですけど。 おどけてますね。僕の大好きなバンクシーもそう。ちょっとおどけてるし、顔も出さない。そういえば、ダフトパンクも顔を出してなかったですね。ジャミロクワイは、「オレ、男前だろ」って感じでやらないじゃないですか。ああいう、音作りは一貫して職人っぽいのに、エンタメとしてお届けするのが好きなんで。 ジャミロクワイの歌詞をちゃんと調べたことは1回もないんですけど、『ヴァーチァル・インサニティ』(1996年)とか、未来への不安というか、社会への批判というか、そういうのが入ってると思うんですけど、ああいうオシャレなファンクでそういうことをやるってことがいいなって。逆にセクシーなものは、音楽的にもあまり惹かれないですね。 ──じゃあ、プリンスとかは・・・。 そうですね、ちょっと僕にはセクシー過ぎて(苦笑)。あ、でも、『チェルシー・ロジャース』(アルバム『プラネット・アース~地球の神秘~』収録)は好きです。あれはグルーヴがめちゃくちゃ格好いいんで。 ──それこそ『セーラ☆ムン太郎』はファンク色の強いダンスチューンで、デビュー当時は「社会派ファンク」なんて称されていましたが、今後はどんな展開となりそうですか? そもそも僕は、フューチャーファンクとかシンセウェイブとか、80年代の雰囲気をまといながらも、今っぽくアップデートされている音楽が好きなんですね。(フランスのエレクトロ・デュオ)ダフトパンクの『ディスカバリー』(2001年)の質感って、フューチャーファンクに通じるというか、まさにそれだと。そういう、かつての音楽を今だったらこうエディットする、みたいなものがスゴく好きで。 だから最初、2019年にリリースした『いいことがしたい』(1st EPに収録)という楽曲を作ったとき、それを目指して作ったんです。難しいのは、それを自分の趣味だけで終わらせずに、みんなに分かってもらうようにすることで、そこはこれからも気をつけたいところですね。 ──音楽的な知識がなくても、踊れる・ノレるというのが、あのときのダフトパンクのストロングポイントでしたよね。 そうなんですよ。だから、あんまり音楽に詳しくない人でも楽しめるような曲を作れるようになりたいと、今はすごく思ってます。 ──秋には全国7カ所を巡るワンマンツアー『変』の開催も決まりました。まずタイトルから聞いていいですか。 これはですね、変わろうの「変」です。 ──変化の変? そうです。なにが変わるのか、なにが変なのか。そもそもマハラージャンって変じゃないですか。 ──変なんですか? 変ですよ。それに、さっき言ったように、どこまでできるかは分からないですけど、次はフューチャーファンクがやりたいというのも変化ですし。ツアータイトルを考えるとき、これまで一文字が多かったんですけど、「変」というのを思いついたときに「ですよね!」という感じがしたんです。 ──あえて自分で変なヤツで言っちゃうあたり、周囲を油断させたいみたいな想いもあるんですか? あぁ。それはすごい、あるかもしれないですね。僕、映画を観るのが好きなんですけど、これが面白いという情報を絶対入れたくないんですよ。その期待値を超えられないときの悲しさ、というのがあるので。ごはんとかも、おいしいって言われてない方が楽しめますし。 ──それでは、このツアー『変』もあまり期待しない方がいいですね。 いやいや、それはちょっと・・・。楽しんでもらえるよう頑張りますので、ぜひ遊びに来てください! マハラージャン ワンマンツアー『変』大阪公演 日時:11月3日(祝・日)・17時~ 会場:Yogibo META VALLEY(大阪市浪速区難波中2-11-1) 料金:6000円(スタンディング、ドリンク代別途要、整理番号付、未就学児入場不可) ※チケット一般発売日未定