<CS速報>巨人が押し出し四球でサヨナラ勝利!
セ・リーグのクライマックスシリーズ、第1ステージが東京ドームで開幕。巨人が延長10回に阪神の4番手高宮を攻略して、一死満塁フルカウントから代打・高橋由伸が四球を選び、押し出しでサヨナラの幕切れとなった。両チーム共にCS用の戦略を用いて火花を散らした熱戦を巨人が制してファイナルステージ進出に王手をかけた。巨人は、明日11日には対阪神に相性抜群の菅野を先発に立てる。
対CS用のベンチワークが火花を散らした。 巨人は、阪神の藤浪対策に、サードに村田でなく井端を使ってきた。ストレートがシュート回転してくるウイークポイントがある藤浪に対しては、左打者を並べるのが基本。原監督は、レフトへ亀井を入れたが、「7番・サード」に今季の対藤浪の成績が.313と相性のいい井端を起用したのだ。その采配がズバリだ。 5回、先頭の井端が、この日2本目となるライト前ヒットで出塁した。小林がバントで送ると、打席にはピッチャーのマイコラス。原監督は、マイコラスの第一打席を見て「速いボールに目が慣れている」と判断、あえて小林にバントのサインを出したという。 ひとつファウルの後の高めのストレート。150キロの甘いコースをマイコラスが見逃さなかった。打球は右中間を破り、ワンバウンドでフェンスに当たった。井端は一気にホームイン。戦前の予想通りに好投手2人の緊張感溢れる投手戦の均衡を破った。 「マイコラスへのボールは悪くなかったのだが……自分のミスからの失点。もったいなかった」 CSで勝利投手となれなかった藤浪がベンチで悔いた。 一方の阪神もCS用の布陣を敷いた。 0勝3敗、防御率1.50と苦手にしているマイコラス攻略に、故障から復帰の上本を1番に置き、今成を2番、シーズン中は1番に固定していた鳥谷を3番にまわし、ポイントゲッターである福留を5番に組んだ。そして、キャッチャーには、藤浪の最多勝と、CS出場のかかっていた4日の広島戦で痛恨の配球ミスをした鶴岡に代えて、2年目の梅野を使った。 「タイミングを合わせ、ポイントを近くにして対応しよう」 関川打撃コーチが攻略を指示。 制球に苦しんでいたマイコラスを7回にようやくつかまえた。 7回、福留、マートンが連打。江越が打席に入るところで、和田監督は、バント用の代打・俊介を送った。バントは正面だったが、ラッキーなことにマイコラスは三塁へボールを投げなかった。一死二、三塁の同点機として、第1打席に二塁打を放っている梅野。積極的に2球続けてバットを振り、それがファウルとなってカウント0-2と追い込まれたが、バットスプレーを取りにいったネクストバッターズサークルで代打の用意をしていた西岡に「楽にいけ!」と声をかけられたという。 「チャンスでプレッシャーのかかっていた場面でしたが、あれで力が抜けました」 3球勝負にきたストレートをセンター前へ。1点を返し、さらに一死一、三塁で、藤浪をあきらめ、代打・西岡。右肘の故障でまだ守備にはつけないが、短期決戦の大舞台に滅法強い男が、センターへ大きな犠牲フライを放ちゲームを振り出しに戻した。