県都決戦、狙いは浮動票 前職2人に新人が挑む激戦区 党幹部らも現地入り、「裏金」だけじゃない三者三様の訴え続く〈衆院選鹿児島1区〉
3人が立候補し激戦となっている衆院選鹿児島1区。自民党前職の宮路拓馬さん(44)は女性活躍を訴え、立憲民主党前職の川内博史さん(62)は生活に寄り添う姿勢を強調する。「最年少」を前面に打ち出す参政党新人の昇拓真さん(34)も交え、各陣営は浮動票獲得に奔走する。 〈衆院選序盤情勢〉鹿児島県内1~3区は自民やや苦戦
「裏金問題は許せないが、政策を実現する力も大切。見極めが難しい」。鹿児島市下荒田1丁目のパート女性(30)は17日、保育所から迎えた長女(1)を抱きながら天文館を練り歩く候補者を見つめていた。「この子が暮らしやすい社会をつくってくれるのは誰なのか」とこぼす。 公示後初の日曜となった20日、宮路さんは同市照国町で街頭演説した。近くであった外国人と市民との交流イベントに触れ「多様で公正な社会こそ人口減少を乗り越えられる社会だ」と力説した。イベントに参加した同市の短大生女性(18)は「外国人にとっても、暮らしやすい社会になるといい」と話した。 個人演説会も精力的に開く。19日の女性の集いは野田聖子元総務相も駆け付けた。宮路さんは女性特有の健康課題を最新技術で解決する「フェムテック」商品や自身が立ち上げた議員連盟を紹介。同市の女性(75)は「女性が活躍できる社会を目指すことに感銘を受けた。仕事と家庭が両立できる環境づくりを進めて」と期待した。
川内さんは20日、同市金生町のアーケード街に立民の村田享子参院議員=鹿児島市出身=や県議、市議ら女性9人と並んだ。政治とカネの問題を批判しながら「みんなの生活を徹底的に支え、消費を活発にする」「国民の命と暮らしを守る」と呼びかけた。聞いていた同市の女性(38)は「所得は変わらないのに物価高で貯金を切り崩した。国民目線でぶれない政治を」と望んだ。 選挙戦初日から、街宣車に乗り込み演説を繰り返す。17日は郡山地域の団地で消費税停止や社会保障の充実を強調した。「ここまで来てくれて親しみを感じた。年金の支給額を増やしてほしい」。夫と耳を傾けていた近くの女性(64)は願った。 昇さんは3候補の中で最年少。街頭演説で「国民は困窮して国力が低下している。若者の投票率を上げ、日本を変える」と減税と財政出動を唱える。20日は同市中央町で神谷宗幣代表と演説した。
南日本新聞 | 鹿児島