「チートを知ったのは8歳です」 人気ゲームで不正行為3400件、常識外れの「元少年」を狂わせた"好奇心"の代償
●8歳で知ったチート「羨ましい」湧き出た感情…指南動画を繰り返し視聴
男性は、父親の影響で幼い頃からゲームに親しみ、チートに出会ったのは8歳のころだった。 親から借りたスマホで、YouTubeのチート紹介動画を視聴した。人気ゲーム『バイオハザード』のキャラクターの動きを見て「なんでこんな動きができるんだろうかと羨ましいと思いました」と振り返る。 中学生になると、動画で紹介されたやり方の通りに、自分のPCにチートエンジンを入れて、ゲームストアにあるアプリに対して「手当たり次第に」チートを試した。その通りにできたという。 「人狼」を遊び始めたのは中学2年生だったが、3年生になるころには「画面の色を変える」行為や「課金解除」(課金が必要なアイテムを無課金で利用する方法)」など、さまざまな不正行為を実施するようになった。
●警告メッセージを「定型文のただの脅し」と捉えた
チートに駆り立てたのは、好奇心や承認欲求だった。 「何ができるんだろう」と行為を繰り返し、不正で得られたアイテムを「見せびらかして(他のユーザーから)反応がもらえたことが、うれしかった」という。 まさしくゲーム感覚のようにチートをしていたが、かといって違法行為だったことを認識していなかったわけでは決してない。 チートや指南行為がどのような罪にあたるのか、自分で調べて罰則もわかっていたと話す。 「偽計業務妨害罪などにあたることはわかっていた。ただ、未成年であれば自分がやっている程度ならバレても許されるかなという感じです」 チートツール販売の逮捕事件がニュースになっても、「誰でもできるようなしょうもないチートをして捕まるニュースは見たことがなかった」。自分は平気だという考えが揺らぐことはなかったようだ。 人狼のゲームで不正行為を働くと、アプリ上で「法的措置をとる」「これ以上は裁判をします」など、警告メッセージが表示され、最初は半年ほどチートを控えたが、それも「定型文のただの脅しかな」と割り切って再開した。 親は「やめときな」と注意するにとどまったという。