「日本は真っ向勝負をしない」――韓国で3割&30本超えの“再ブレイク” 元阪神ロハスの言葉に隠れる助っ人見定めのヒント
虎党たちを納得させられなかった助っ人は、韓国で水を得た最中のような活躍を披露している。今季から韓国プロ野球(KBO)リーグのKTウィズでプレーしているメル・ロハスJr.だ。 【画像】押さえておきたい「2024ドラフトの目玉」たちを厳選! 注目選手のプレー写真&寸評を一挙紹介 現在34歳のロハスJr.は、古巣復帰を果たした今季はまさに絶好調だ。現地時間9月15日時点で135試合に出場し、打率.333、32本塁打、111打点、出塁率.423、長打率.587、OPS.1010とハイアベレージを記録。3割、30本、100打点を超え、助っ人として文字通りチームを助ける活躍を見せている。 21年から2年間、阪神に在籍していたロハスJr.。その日本時代を思えば、現在の活躍は別人のようにも映る。 20年に打撃二冠王(本塁打&打点)とリーグMVPのネームバリューを引っ提げて阪神に入団したロハスJr.は、新型コロナウイルスの蔓延で合流遅延。1年目を棒に振ると、契約最終年となった2年目も低調なパフォーマンスに終始。NPBでの2年間で通算打率.220、17本塁打、48打点、OPS.697と鳴かず飛ばずで、「韓国から凄まじい助っ人がやってくる」と触れ込みに、大きな期待感を抱いた虎党を裏切る形となった。 無論、韓国球界でのもともとの経験が活かされているのは間違いない。環境面に馴染むのにあまり時間を要する必要がないのは、助っ人選手にとって救いだ。とはいえ、それだけで現在の好成績は収められないはずである。少なくとも何をやっても空回りしていた印象が強かった阪神時代のロハスJr.に、3割、30本、100打点を残すスラッガーの面影はなかった。 ではなぜ、“ダメ助っ人”のレッテルを貼られたロハスJr.は再起を遂げたのか。第二の春を謳歌する34歳は、春先に韓国メディア『OSEN』で、その理由とも取れる発言を残していた。 「日本と韓国は異なるスタイルの野球をしている。だから簡単に良し悪しを言うことはできない。ただ、打者として何かを話さなければならないとすれば、韓国の投手たちは、真っ向勝負が必要になるシチュエーションで、自信を持って勝負に臨む。だけど、日本の投手たちは、国際的にも有名で、どんなに優れた投手であっても、こっちがその前の打席でヒットを打っていたら、絶対にストライクは投げない。ボールゾーンに球を散らして真っ向勝負をしないんだ」 いかなる局面でも、変化球やボール球を駆使しながら、より効率よく打者を打ち取る傾向にある日本。韓国でMVPとなった名スラッガーは、その「勝負の仕方」に苦心したというわけである。 ただ、逆に言えば、「真っ向勝負をしない」という日本人投手たちに我慢強く耐え、攻め手を理解できれば、多くの助っ人選手たちには活躍する術があるということではないか。 日本で結果を残せず、隣国で再ブレイクを果たしている。だからこそ、ロハスJr.の言葉には、助っ人を見定めるヒントがあるように思える。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]