北大教授「再流行リスク、相当ある」 これまでの生活への早期回帰を警戒
新型コロナウイルスの拡大防止のために設置された厚生労働省のクラスター対策班のメンバー、北海道大学の西浦博教授は15日、東京都の小池知事が日々、都内の感染状況などを発信するインターネット上のライブ動画に出演した。西浦氏は「再流行するリスクも相当ある。辛抱強く(対策を)やっていくということが必要」などと述べ、警戒を緩めないよう訴えた。
この日の東京都の新規確認感染者は9人。3月22日以来の一桁となった。西浦教授は「感染者数は凄く良く減少しているおり喜ばしいこと」としながら「いまは感染しうる人で溢れている状態。人の流れが増えると感染者が増えることになる。いまは院内感染、家庭の中で起こる感染が中心だが、一方で少しだが居酒屋や夜間の接待飲食業をきっかけにした感染者が出てきているのことも事実。とっても強い懸念を抱いている」とも述べた。
「宣言」前の生活にすぐ戻ること懸念
この動画の前日(14日)には、39県が緊急事態宣言を解除された。西浦教授はそれについて触れ、「それは東京で接触を始めていいというような免罪符のように受け取っては絶対にいけない。再流行するリスクも相当ある。段階的に社会は再度機能し始めるので、辛抱強くやっていくということが必要だ」と強調した。 西浦教授は、東京都が緊急事態宣言の期限の5月31日に宣言が解除される可能性があるということにも言及した。そして「もしも今までと同じような生活にすぐ戻ってしまうと、緊急事態宣言前に増加していたのと同じ増殖率で感染者数が増えてしまう可能性がある」と説明。「一方でクラスターが発生している危険な場所はもうみなさん分かっている。夜の街だったり、フィットネスクラブだったりいくつか列挙することができる。そういった場所での接触を半分くらい我慢できると再流行起こさずに済むかもしれない」とシミュレーション図を指しながら語った。 また、「(緊急事態宣言が)解除された後も感染者が必ず潜んでいるだろうと考えるのが適当なのがこの感染症の特徴。しばらくの間はリスクが特別に高いと考えられる場所での接触をできる限る避けるということが大事」と念押しした。