古民家民宿でくつろいで 舞踊家・西村さん(富山県入善町)が築80年改装し開業
舞踊家の西村保子さん(71)が9月に、富山県入善町道市の自宅兼スタジオで一日1組限りの民宿「Scobe’don(すこべどん)」をオープンさせた。築80年の古民家を改装して和洋それぞれの客室を設け、おにぎり作りなど自身が講師を務める体験プランを用意した。かつては季節行事のたびに近所から人が集まっていたと言い、「ここを再び、楽しい憩いの場にしたい」と話している。 西村さんは、進学先の日本体育大で創作ダンスに出合った。卒業後は東京で舞台に立つなど舞踊家として活動。結婚や出産を経て36歳で家族と実家へ戻り、30年以上にわたってダンスやヨガの教室を開いてきた。 民宿開業は、同居していた両親の他界や息子の独立がきっかけ。家は1階だけでも10部屋以上あった。これからどう暮らしていくか悩んだ末、子どもの頃は祖父の知人が行事ごとに集まっていたこと、ダンス教室では子どもたちの宿泊会を開いたことなど大勢で楽しんだ思い出が浮かんだ。
昨年から遺品や不用品の整理を始め、今春からの改装工事で1人部屋と二つの2人部屋を備えた貸切宿泊スペースが完成。日本食文化に触れてもらう体験プランでは、自分と一緒に県産米のおにぎり、和食の定番・だし巻き卵を夕食に向けて調理する。宿名は、自宅の屋号「すこべどん」に英文字を当てた。 民泊仲介アプリを通じて、10月にデンマークとフランスから利用客が訪れたほか、時にはヨガ教室の受講者らがお茶を囲む。西村さんは「海外の人に日本の暮らしを感じてもらえてうれしかった。多くの人が集まり、ゆったりとした時間を過ごせる場になればいい」と語った。民宿の詳細はホームページで案内している。