おにぎりブームのなか「こんなの見たことない!」 口コミで人気になって専門店に、いったいどんなおにぎり?
「スシロー」の新業態「むすび寿司」といった企業系、にぎる人の温かみが伝わる小さな個人店など…東京はもちろん、関西でも増加中の「おにぎり」の専門店。そんななか、趣向がひと味異なる玄米の揚げおにぎりの専門店「すってんころりん」(兵庫県西宮市)が9月3日にプレオープンしています。 【写真】玄米揚げおにぎりは、コチラ! 店を構える前から、イベントなどに出店し完売するなど、話題になっていた同店。なんともユニークで親しみ溢れる店名は、昔話「おむすびころりん」を彷彿とさせ、店内には大きなかまど(カウンター)が鎮座。包んだ姿がおにぎりになっている微笑ましいラッピングも魅力です。 このお店をはじめたのは、玄米ご飯と麹の定食が人気だった尼崎の「ポノポノ食堂」の猿渡孝彦さんとオーガニック素材でつくる食事やお菓子が有名だった大阪の「コチカフェ」の細田孝子さん、経営担当の伊藤健太郎さんの3人。お店を行き来し、コロナ禍に一緒にイベント出店するなかで、親交を深めて、それぞれの長所や特技を活かしたお店へとつながりました。 主役となる玄米揚げおにぎりが誕生したきっかけは、「ポノポノ食堂では、残ってしまった玄米がロスになってしまうのを避けたくておにぎりにしていました。それを家族用のごはんとして食べていたのですが、揚げて醤油を塗って食べたら、家族の人気メニューに。それが10年ぐらい前です。その後、お店で炊いた玄米が足りなくなってしまった…という日に、「揚げおにぎりならお出しできますよ」とお客様に提供したのが好評となり、小さなイベントなどでこの玄米揚げおにぎりを出すようになりました」と猿渡さん。 そして、お客として訪れた細田さんは「ほかにはない、このスペシャル感に感動したんです。それで、私のお店でも取り扱わせてもらうようになりました」と、玄米揚げおにぎりの魅力が少しずつ広まっていったのだそう。「いわゆる普通のおにぎりともちょっと違うので、世の中がおにぎりブームになっているとか、全然意識していませんでした。イベント出店も増えて、我々のおにぎりも認知してもらえるようになって来たので腰をすえて、そのためのお店を構えることに」と猿渡さん。 看板メニューの玄米揚げおにぎり(500円)は、兵庫県丹波産の玄米を使用し、2時間かけて圧力鍋で炊き上げます。さらにオーダーが入るごとに揚げてくれるので熱々。ほかにも、ごぼうのきんぴら、豚ミンチ塩和えなどの具をサンドしたおにぎりバーガー3種(各650円)、店舗限定の玄米揚げいなり3種(各280円~)。9月30日からは平日限定でおかずも楽しめるおにぎりボックスも販売し、今後はメニューのバリエーションを増やしていく予定とのこと。 「おもたせしたくなるおにぎり」のコンセプトに合わせてパッケージは、「コチカフェで販売していたマフィンを入れるパッケージに、消しゴムハンコで海苔をスタンプしました。1つ500円とおにぎりにしては高級なんですけれど、こだわりやおいしさを伝えられたら…と考えたパッケージです」と細田さんの案を採用。プレオープン中に、最初は1つ試しに買ったお客さんが、後日10個、20個とまとめ買いして、差し入れやお土産として愛用してくれているそうです。 今回のお店をオープンするにあたって、甲東園にも物件を準備、「本店にするかどうかはまだ未定ではあるものの、甲東園の店舗はショップのほかイベントなどに使っていきたいと思って準備中です」と、2軒目のオープンも視野に。今後もイベントへの参加を続け、2024年12月6日~8日に「万博記念公園」で開催される『関西蚤の市』を予定。 場所は、阪急苦楽園口駅から徒歩約1分。お店近くには夙川沿いの公園もあり、そこで揚げたてをいただくのもおすすめ。営業時間は10時~20時(土日祝は~18時)、不定休のためインスタグラム(@sutten.cororin)で事前にご確認を。 取材・文・写真/いなだみほ