夜の廃校でお化け屋敷 プロ顔負けの演出に悲鳴 地元の住民は「有料でもいいから開催して」
廃校となった小学校で、不定期で開かれる「お化け屋敷」があります。地元の大人たちがほぼ手作りで企画運営するお化け屋敷は、プロ顔負けの演出で、普段は静かで寂しい校舎が悲鳴と賑わいに包まれました。 【写真で見る】福岡県宮若市で廃校を利用、ほとんどが手作りのお化け屋敷~プロ顔負けの演出~
暗闇に響く子供たちの悲鳴
「きゃー」 福岡県宮若市の「旧宮田東小学校」。2年前に廃校になった校舎から子供たちの悲鳴が聞こえてきました。夜、暗幕が張られた校舎の中は、真っ暗闇。おそるおそる進む子供たちに総勢60人のお化けたちが、次々に襲いかかってきます。
10校あった小学校は4校に
福岡市と北九州市、ふたつの政令市の中間に位置する福岡県宮若市は、1985年を境に人口が減少。2009年に10校あった小学校は、再編を繰り返し現在は4校になりました。少子高齢化が進む中でも、なんとか地域をもりあげたいと、宮若商工会議所青年部などが中心となって9年前から不定期で、廃校を利用したお化け屋敷を開いています。
大工や板金加工の技術いかし演出
お化け屋敷の演出を含めた準備を担うのは、商工会議所・青年部のメンバーや地元の職人たち。ほとんどが手作りで、その技術がいかされています。 板金加工業 「板金屋さん、車屋なので、色を塗って血のりの演出をしました」 大工 「全校舎の暗幕張りをしました。改修工事とかで暗幕を張ることはありますね」
「怖いけど最後は笑顔に」を目標に
会場の準備が整った本番2日前、陣頭指揮をとっていたのは、宮若商工会議所青年部の松岡秀倫さん(35)。この日は、実行委員会のメンバーと一緒に、来場者を驚かすタイミングや危険な場所がないかを入念にチェックしました。 指示をだす宮若商工会議所青年部 松岡秀倫さん(35) 「今、先頭の人が来たタイミングで驚かしているけれど、もう少し遅らせてください。真ん中の人くらいで驚かすようなイメージのほうが、皆が怖がってくれます」 宮若商工会議所青年部 松岡秀倫さん(35) 「楽しんでもらって、怖いけど最後は笑顔になって帰ってもらう、というのを目標にしてやっています。それが宮若市の活性化につながればいいなと」