シンディ・クロフォードとカイア・ガーバー、母娘でスーパーモデルという同じ職業に身を置いて|VERY
昨年11月にニューヨークで行われた「プラネット オメガ」エキシビジョン。VERY NaVYとして、オメガのアンバサダーを務めるシンディ・クロフォード&カイア・ガーバーへのインタビューが実現しました。ともにスーパーモデルという、最高にクールな母娘が語る「それぞれのクオリティタイム」とは。
月面着陸の瞬間を刻み、1932年からオリンピックのオフィシャルタイムキーパーを務め、映画『007』でジェームズ・ボンドが着用する腕時計と、実に多彩なストーリーを持つオメガの歩みと魅力が体感できるエキシビジョンが「プラネット オメガ」。オリンピックとスポーツ、宇宙、プレシジョン、オーシャン、ジェームズ・ボンド、フレンズ、ヘリテージの7つのエリアで展示が行われました。 PROFILE □シンディ・クロフォード 1966年生まれ。1990年代のスーパーモデル時代を牽引したトップモデル。ファッション界でも注目されるプレスリー・ガーバー、カイア・ガーバーの母。 □カイア・ガーバー 2001年生まれ。シンディ・クロフォードと実業家で元モデルのランディ・ガーバーの娘。10歳でモデルデビュー、瞬く間にトップモデルの地位を確立。現在は俳優業にも挑戦。
母|Cindy Crawford
❝私、そして家族の存在をも大切に気遣ってくれた。その信頼関係が、約30年に及ぶ「オメガと私の歴史」❞ 1990年代に一大ブームを巻き起こしたスーパーモデル、シンディ・クロフォード。オメガのアンバサダー歴は約30年、異例の長期契約の秘訣を振り返ります。「オメガとの初仕事はシグネチャーである、コンステレーション コレクションのキャンペーンでした。メッセージは“ファッションとしてのレディスウォッチの提案”。月面着陸、オリンピックなど時を刻むことへの確固たるクオリティを誇りながら、ファッションピースとしての時計を見据えたプレゼンテーションは、オメガの先見性を象徴するもの。当時の私はシングルでしたが、結婚して母になってからもオメガの私に対する敬意は変わらず、常に夫や子どもたちの存在を大切に気遣ってくれたことは、母として大きな安心感を覚えましたね。その信頼関係がオメガと私の歴史であり、今が一番お互いを愛おしく感じているような気がします」。 ❝今、ここにいるのが当たり前でないことは世界情勢を見れば明らか。シワの1本、2本はとるに足らない問題。❞ インタビュー会場で目の前に座るシンディは、かっこいいの一言に尽きる。ゴージャスなロングヘアにグラマラスなスタイル、セクシーな口元のほくろ。自身のアイコニックな魅力を年齢に応じて再解釈する、そのお手本のような美しさはNaVY世代の憧れとするところ。「時間の経過を語るとき、同時に聞かれるのは老化について。私はいつも “死ぬよりマシ”と答えています。これまでSNSやメディアでは若さがことさらに強調されてきましたが、最近は“今の自分を尊重する”女性が増えてきたのでは? 自分を肯定する自尊心は、日々鍛えていく必要があります。過去の栄光にしがみつかず、過去も未来も否定しない。常に自分のリアルな表現に向き合うことが大切だと感じています。25歳でない私が、25歳のように振る舞う必要はありません。それに私たちは当たり前に存在しているわけではない、それは世界情勢を見れば明らかです。その本質を考えたとき、顔のシワの1本、2本は取るに足らない問題ですね」。 ❝カイアの2回目のランウェイで「負けた」と思ってからは彼女のことを何も心配していません❞ この日はインタビュー後に、『プラネット オメガ』のイベント会場でシンディと娘のカイア・ガーバーのトークセッションが実現。母と同じくモデルの道を選んだカイアについて、シンディの想いが語られました。「カイアが幼い頃、撮影現場に連れて行くことがありました。そのせいか、他の子がバービーで遊ぶように家ではよく撮影ごっこをして遊んでいたんです。カイアがモデルを志すと決めたとき、私はとてもニュートラルな気持ちで彼女の意思を尊重したと思います。ただ、私がモデルを始めたときと違って、カイアにはモデルを経験した母親がいる。私の失敗やトラブルも含め、これまでの経験をなるべく多く授けるようにしました。ファッションショーはモデルにとって、特別な舞台。カイアの初めてのランウェイは直接見てはいませんが、あまり目立っていなかったと思います。2回目のアレキサンダー・ワンのショーには足を運び、白いドレスを纏った彼女が堂々とランウェイを歩く姿を見たときに“負けた”と思ってからは、何も心配していません」。 ❝スマートフォンを眺めながらでは「今を生きているとは言えない」❞ モデルとして、母として。シンディはカイアに“時間の大切さ”についても伝え、今でもふたりで時間をテーマに語らうことがあると言います。「私たちが常に話すのは“今に集中、今という瞬間を生きましょう”ということ。誰もが“次は何?”と気にしながら、忙しない日常を送っている現代。常にスマートフォンを眺めながらでは、今を生きているとは言えないと思います。57歳の私が伝えられる教訓があるとしたら“とにかく時間を無駄にしないで!”ということ。それは単に予定を詰め込むことではありません。自分ひとりの時間、ビーチの散歩、家族や友人とディナーを囲むひととき。こう考えると私のクオリティタイムとは、お金もかからず、大した準備もいらない場合が多いですね」。