トランプ氏の「女性守る」発言をハリス氏が批判 立場の違い鮮明
「女性が望むと望まざるとにかかわらず、私は女性を守る」。米共和党のトランプ前大統領の女性に関するこの発言に対し、民主党のハリス副大統領が「女性の主体性や権利を理解していない」として批判を強めている。5日投開票の大統領選では女性有権者の動向は焦点の一つで、女性を巡る立場の違いが鮮明になっている。 トランプ氏は選挙戦の結果を左右する激戦7州のうちの一つの中西部ウィスコンシン州で10月30日にあった集会で、直前に側近から「不適切」だとして発言を控えるよう忠告されていたと明かした上で、あえて「女性を守る」と言及した。米紙ニューヨーク・タイムズは「トランプ氏が女性の安全性に対する潜在的な不安をあおることでアピールしようとしている」と指摘する。 これに対して、選挙戦を通じて人工妊娠中絶など女性の権利擁護を前面に打ち出してきたハリス氏は猛反発。31日にウィスコンシン州で記者団に「女性の主体性や権利、そして体に関することを含む人生について決める能力を理解しておらず、非常に不快だ」と非難。その後の集会でも同様にトランプ氏を批判した。 米CBSテレビが10月下旬に実施した世論調査によると、女性の有権者の間では、ハリス氏がトランプ氏を10ポイント以上引き離してリードしている。【ワシントン松井聡】