GLAYのTERUもハマった!大人が熱中する「リアル宝探し」ってなに?
リアル宝探しでテーマパーク経営を立て直し
「リアル宝探しタカラッシュ!」を企画する「ラッシュジャパン」(東京都江東区)は、齊藤多可志社長が2001年に起業した。齊藤社長は、小学校時代に宝探しで遊んだ記憶が忘れられず、長年務めた旅行会社を辞め、宝探しイベントを企画する会社を立ち上げた。最初の半年間は全く売れなかったものの、団体旅行の企画に組み込んだところ、「大人が必死になって2割の人がクリアできる」企画が大好評でクチコミで広がっていったという。 リアル宝探しは、経営が傾いたテーマパークの再生にも役立った。愛知県のテーマパークで導入したところ、右肩下がりだった入場者数が増加に転じた。来場者の半分以上がリアル宝探しをしに来園しているという計算もある。噂を聞きつけ、これまでハウステンボスなど全国各地のテーマパークで採用された。テーマパークにとっては、ジェットコースターを作るよりはるかにお金をかけずに集客効果を狙える。家族で宝探しに参加すると、子供も大人も夢中で楽しめ、親子の共通のコミュニケーションが広がるといい、参加した子供を対象にした作文コンクールには「難しい謎を解くお父さんがかっこよかった」との感想もあったという。
全国各地で宝探しブーム
小さなコストで大きな集客効果を見込めるリアル宝探しは、地域おこしにも活用されている。福島県全域で開催されているリアル宝探しイベント「コードF-5」は、全部クリアするのに2カ月かかるが、開始から2カ月ですでに10万人が参加した。参加者だけではなく、宝探しが開催される自治体の住民もヒントを出す役などで参加ができる。地域全体が盛り上がるイベントだ。 現在、全国各地で無料、有料含め、598個の宝箱が隠されている。昨年は、1年間で160万人が宝探しに参加した。この数字は、2013年の埼玉西武ライオンズのホームゲーム観客動員数と等しい。 今後の目標について齊藤社長は、「リアル宝島を作りたい」と語る。既に瀬戸内海に無人島を購入し、島全体を宝の島にするために準備中だという。齊藤社長は、宝探しイベントの魅力をこう語る。「仲間を募って冒険をするのは、人の遺伝子に組み込まれた感動。そんな体験を気軽に全国各地で体験できるのが、リアル宝探しではないか」 夏休みに、海も山もいいけれど、親子や友人と宝探しに出かけるのも一案かもしれない。 (中野宏一/THE EAST TIMES)