真央のSP失敗原因はプログラム変更!?
フィギュアスケートの全日本選手権は26日、北海道の札幌・真駒内で男子フリースケーティング、女子ショートプログラムを行い、男子FSでは、羽生結弦(21歳、ANA)が4連覇を果たし、女子では宮原知子(17歳、関西大高)がトップ、浅田真央(25歳、中京大)は、ジャンプミスが響き5位と出遅れた。2位の本郷理華(19歳、邦和スポーツランド)から、浅田真央までの4選手が、6.36点内にいる大混戦。今大会は来年3月の世界選手権の選考会を兼ねており、その枠は3人。単純に今大会の上位3人が出場できるわけでなく、GPファイナルに出場している真央にアドバンテージはあるが、FSの結果次第では、落選の可能性も出てきた。注目のFSで、真央のスランプに出口は見えるのか?
フィニッシュの瞬間、真央は天を仰ぎ、なんとも複雑な表情を見せた。 冒頭の3回転アクセルは、スピードが足りずに回転不足の失敗、続く3回転フリップ+2回転ループの連続ジャンプも、最初のフリップでバランスを崩して片手をつき、それでも2回転ループに続けたが回転不足の判定。3つのスピン、ステップのエレメンツではレベル4をキープしたが、得点は伸びずに、今季最低の62.03。全日本でのSPで5位以下は、ノービスで出場した2003年以来である。 競技後のインタビューでは、「うーん、自分が思ったような滑りができていない。気持ちが下降気味かもしれない」と、正直に悩める心の内を口にした。 復帰直後のGPシリーズの中国杯で優勝、順調な復帰ロードに思えたが、NHK杯、GPファイナルと調子は下降線を辿り、全日本でもSPでスランプを抜けきれない。 元全日本4位で、フィギュアに関する著書もあり、現在はインストラクターとして活動中の今川知子さんは、今大会で続いたミスをこう分析している。 「思い切りがありませんでした。踏み切りの勢いが足りずに跳びあがり切れていないのが、トリプルアクセルが回転不足になった原因です。続くトリプルフリップの失敗原因も同じです。あそこは無理に連続ジャンプとせず、瞬時に演技構成を変えても良かったと思いますが、余裕がなかったのでしょう。全日本は、スケーターにとって特別な大会です。特に浅田選手には、負けられないというプレッシャーが強く、気持ちが守りに入ったのかもしれません。確実にまとめるつもりのプログラム変更が逆に裏目となってしまいました」 失敗への予兆はあった。プログラムの変更である。 復帰後、3試合のSPのプログラムは、冒頭のトリプルアクセルから、3回転フリップ+3回転ループ、そして苦手な3回転ルッツも組み込んでいた。しかし今回はエッジ判定にグレーが続き、演技全体の落とし穴となっていた3回転ルッツを外して3回転ループに。3回転フリップ+3回転ループも難易度を落として、3回転フリップ+2回転ループに変更した。