中国、台湾総裁の演説を軍事圧力強化に利用できない=米当局者
[ワシントン 9日 ロイター] - 米政府高官は9日、中国が台湾の建国記念日に相当する「双十節」の年次演説を軍事的な圧力をかけるための口実に利用する正当な理由はないとの見解を示した。 同高官は記者団に対し、「中華民国の建国113周年を記念する10月10日の演説は、中国による軍事演習の理由にはならない」と言明。「これまで、同記念日の演説後に目立った軍事活動や演習は見られなかったが、今年は中国がこれを口実に利用する公算が大きいとみている」と述べた。 この発言は、台湾の頼清徳総統が10日、「双十節」の式典で行う演説に先立ち行われたもので、台湾当局者によると、これに合わせて中国軍が台湾に圧力をかけるために軍事演習を実施する可能性が高いとされる。 頼総統は10日の演説で、中国は民主的に統治されている台湾に対し軍事的・心理的な圧力を与え続けており、あらゆる手段を使って「混乱」を引き起こしていると発言するとみられている。 米当局者は、台湾は頼氏の演説について一部の外交パートナーや同盟国に説明を行っているが、その内容は台湾当局の判断に全面的に委ねられるとしている。