Z世代の起業家たちが見る、現代社会【SENSORS】
多くの企業で経験豊富な先輩(メンター)が後輩を育成するメンター制度が取り入れられているが、昨今その逆のリバースメンタリングが注目を集めている。リバースメンタリングは、若年層が上司や先輩の相談役となり助言やサポートを行うことで、相互理解の促進や、組織の活性化につながることが期待されている。 若年層の代名詞といえば、「Z世代」だろう。Z世代の持つ視点や価値観から学ぶべきこととは。今回は、Z世代の起業家たち4人に、いまZ世代がビジネスや現代社会に対して感じていることを聞いた。
■“Z世代”と呼ばれる違和感と安堵感
Z世代とは、明確な定義はないが、主に1990年半ば~2010年代に生まれた世代を指す。子どものころからインターネットやデジタルデバイスを使いこなし、SNSでのコミュニケーションが日常化している。 それ以前の世代とは大きく異なる文化を持つことから、これからの社会形成のキーとなる世代として注目されている。“Z世代”と評されることを、本人たちはどう感じているのだろうか。 Forbes JAPAN が選ぶ「業界を代表する 30 歳未満のイノベーターにインタビューを行う NEXT UNDER 30(2018年版)」に選出された、映像監督YPさんは、自分がZ世代だという意識はあまり持っていないと言う。 「君はZ世代だよと言われても『そうなんだ』という感覚です。だから、今日もZ世代を代表して話すんだというスタンスでいるわけではありません」
株式会社水星・代表取締役でホテルプロデューサーの龍崎翔子さんは、Z世代と呼ばれることに違和感を持つ。 「Z世代って、上の世代が若者を敬って、若者から学ぶために使うようなときがありますよね。それが、少しむずがゆいです。ネットメディアやニュースで“Z世代は環境保護意識が強い”などと総じて言われることもありますが、実は一部の人たちだけの価値観だというときもあります」 一方で、“Z世代”というカテゴリに助けられることもあると言う。 「Z世代以上に違和感があるラベルもあります。例えば、『女性』『女性経営者』『スタートアップ』のような言葉が並んだときに連想されるイメージの強さには、私は勝てません。それなら、年代で区切られただけの『Z世代』と呼ばれるほうがリラックスできますね」