1ミリの隙も許されないアーセナルが一気に駆け抜けるのか
ヒリヒリするような展開が続いている。
三強の優勝争いはし烈だ。『opta』による予想も試合ごとに変化している。先週末の大一番、マンチェスター・シティ対アーセナル戦がスコアレスドローで終わったときは、以下のような優勝確率だった。
リヴァプール:47・7% シティ:33・5% アーセナル:18・8%
そしてミッドウィーク後は、リヴァプールが45%で相変わらず本命。33・6%のシティが対抗と目され、アーセナルは21・4%で三番手に位置している。Opta Football Predictions | The Analyst
ただ、2024年のパフォーマンスではノースロンドンの強豪がずば抜けている。9勝1分無敗。35得点・4失点。クリーンシートも6試合あり、攻守ともに不安は感じられない。
とくに守備陣は凄みを増し、シティ戦では徹底的にスペースを潰すプランにより、敵地エティハドで貴重な1ポイントを手にしている。ガブリエウ・マガリャンイスはアーリング・ハーランドを完封した。66分から投入された冨安健洋は、ジェレミー・ドクをねじ伏せた。
また、ミッドウィークのルートン戦は、ハムストリングに不安を抱えるブカヨ・サカに休養を与え、デクラン・ライスとガブリエウ・ジェズス、ガブリエウ・マルチネッリをベンチに温存しながら2‐0の快勝だ。
前半だけで2点のリードを奪っていたため、後半は無理をせずに試合全体をコントロールした。20年ぶりのリーグ優勝に向け、現在のアーセナルには余裕すら感じられる。
アルセーヌ・ヴェンゲル体制が晩年を迎えたころ、アーセナルはトップランクの末席にしがみつくだけだった。経済力でシティを下まわり、監督力でリヴァプールのユルゲン・クロップ監督にかなわなかった。
ヴェンゲル退任後に招いたウナイ・エメリ(現アストンヴィラ監督)も苦しみ、チャンピオンズリーグ出場権すら獲得できない。2019/20シーズン途中に監督のポストに就いたミケル・アルテタも、8位、8位、5位。昨シーズンは優勝したシティに5ポイント差の2位になって復調の兆しをつかんだものの、解任が叫ばれたこともしばしばあった。しかし……。