大技で勝負に挑む中田璃士・高橋星名・西野太翔、“超新星”の植村駿ら男子は誰が勝っても初優勝。注目の全日本ジュニア出場選手
次世代の選手たちが競う全日本ジュニアフィギュアスケート選手権が11月15日から開催される。 【写真を見る】中田璃士、高橋星名ら全日本ジュニアに出場する男子注目の選手たち ジュニア選手たちの熾烈な戦いは、毎年ドラマチックな歴史が刻まれている。 去年の男子は、全日本ジュニア7度目の出場となった中村俊介が悲願の初優勝を果たす。 そこから弾みをつけ、世界ジュニアに初出場するなど飛躍のシーズンとなった。 そんな中村は今季国内ではシニアを主戦場に、海外では2度目の世界ジュニア出場を目指しジュニアとして戦う。 今年も未来を担う選手たちがしのぎを削る今大会で、どんなドラマが誕生するのか。 全日本ジュニアの注目の男子選手を紹介する。
誰が勝っても初優勝、激戦の男子
30名がエントリーした男子も、女子と同じく上位8名が12月の全日本選手権へ推薦される見込みだ。 JGPファイナル進出を決めているのが中田璃士、髙橋星名の2人。 そこに今季から4回転サルコウを投入し勝負に挑む西野太翔や、去年3位表彰台入りを果たした周藤集、超新星の植村駿らが追いかける。 【全日本ジュニア出場選手のシーズンベスト】 (1)中田璃士 SP:81.55/FS:151.98/TOTAL:233.53<JGP中国大会> (2)高橋星名 SP:81.05/FS:148.61/TOTAL:229.66<JGPラトビア大会> (3)西野太翔 SP:75.48/FS:142.36/TOTAL:217.84<東日本> (4)垣内珀琉 SP:69.99/FS:139.51/TOTAL:209.50<JGPタイ大会> (5)植村 駿 SP:66.78/FS:135.84/TOTAL:202.62<西日本> (6)周藤 集 SP:71.76/FS:122.64/TOTAL:194.40<東京>
4回転で勝負に挑む中田璃士
昨季、世界ジュニア銀メダリストの中田璃士。 イギリス人の母を持ち、天性の華やかさとエンターテイナーの精神が光る。 今季は4回転トゥループに加え、4回転サルコウを実戦投入。さらに4回転ジャンプの中でも難易度が高いとされている4回転ループも習得中で、今季試合で投入したこともある。 ジャンプのレベルアップを筆頭に今季も盤石の強さを見せる中田。2年連続のJGPファイナル進出で連覇がかかる。 今季のフリーは、父でありコーチを務める中田誠人さんが現役時代に滑っていたのがきっかけで選曲したという『パイレーツ・オブ・カリビアン』で挑む。 4回転ジャンプを成功させ、全日本ジュニア初優勝となるか。 そんな中田に立ちはだかるのが、今季絶好調の高橋星名だ。 ショート・フリーで計3本投入しているトリプルアクセルの精度がアップ。 JGPデビューとなったラトビア大会で3本成功させ、いきなり優勝を果たすと、2戦目で2位表彰台に上がり、ファイナルへ駒を進めた。 8位と悔しさの残った去年から着実な強さを手に入れている高橋。ジュニア2年目での初優勝を狙う。 虎視眈々と表彰台を狙うのは、今季飛躍する西野太翔。 憧れの羽生結弦さんにインスパイアを受けている繊細な表現力とトリプルアクセルを武器に、去年の全日本ジュニアではジュニア1年目ながら5位と健闘。 今季の西野は、さらに大技4回転サルコウを投入しさらなる高みを目指す。 しかし、JGPの国際大会では思うような演技ができず悔しい結果に。 それでも、今大会予選の東日本選手権では自己ベストを更新するなど調子を上げてきている。 カギとなるのは、いまだクリーンな着氷のない4回転サルコウ。全日本ジュニアの大舞台で成功させ、「今大会優勝&世界ジュニア出場」の目標達成なるか。