英国、TPPに新加盟 コメ業界は熱視線
英国が15日、環太平洋経済連携協定(TPP)に新たに加わる。TPPが発効した2018年以来、新規加盟は初めて。「米国第一」を掲げ、保護主義的なトランプ氏の米大統領再就任を目前に控えるなか、自由貿易の意義を再確認する動きとなる。 【写真】朝日新聞のインタビューに応じるロングボトム駐日英国大使=2024年12月13日、東京都千代田区、真田嶺撮影 TPPは英国の加盟で参加国が12カ国に増え、その経済圏が欧州にも広がることになる。英政府によると、国内総生産(GDP)の総額は「世界の約15%」と、約3ポイント上昇する。 日本のコメ業界は熱視線を送る。英国のTPP加盟で、関連の関税が撤廃されるためだ。精米は現在の「1キロ約20円」が即時に、パックご飯は「8%+1キロ約60円」が5年かけて段階的に、支払う必要がなくなる。 一般社団法人「全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会」(全米輸)は11月18日、ロンドンでイベントを開いた。会場には炊きたての米の香りが広がり、イクラや高菜を具材としたおにぎりのほか、英国で人気が高まっているカレーライスが振る舞われた。 レストラン経営者、ジョシュア・オーウェンズ・バイグラーさんは「一粒一粒を確かに感じられる」と日本の米を絶賛。「イタリアン・ジャパニーズのイタメシ屋」をうたう自らの店でも、日本米をもっと使うかを検討するという。 全米輸専務理事の細田浩之さんは「英国への輸出を拡大するチャンスだと思っている」と語る。「日本の米はおいしいけど高い、と言われることが多かったが、競争力が増すはずだ」
朝日新聞社