救援投手12球団ナンバーワン防御率のドラゴンズ清水達也は「今日だけ抑える」精神でレジェンドMVP浅尾拓也を超える
侍ジャパン投手コーチ・吉見一起氏が清水投手好調の要因を語る
清水投手の最近2年間のシーズン成績を振り返っても2022年は54試合で32ホールド、自責点17の防御率3.04。2023年は50試合で25ホールド、自責点16の防御率3.09と最強リリーフ陣の一角を担ってきた。今季はさらなる安定感を誇っているのだが一体何が変わったのか。その要因を侍ジャパンの投手コーチ・吉見一起さんが次のように解説した。 吉見氏:元々フォークやカーブを上手に使うピッチャーだったんですけど、今年すごく良いのはストレートじゃないのかなと思います。ストレートで勝負できる、ストレートで空振りが取れるところが、昨年よりも成長しているところなんじゃないのかなと思っています。 吉見さんの分析どおり、清水投手もストレートに自信を持っていると明かす。きっかけは昨年11月に初招集された侍ジャパンでの1コマだった。 清水投手:自信を持ってストライクゾーンに投げ込めば打たれないと色々な人に言われるので、厳しいところは狙わず自分のボールを信じて投げ込めています。(リードに対する)考え方を色々な人に教わって、配球だけでなく構えとかもキャッチャーに「こういうところに構えてほしい」と伝えるようになりましたね。 意識改革は1試合の平均与四球の数字に表れている。昨年の「0.60」から今年は「0.26」と大きく減少。清水投手は自身における四球の位置づけをじつに頼もしい言い回しを使う。 清水投手:四球は自分にとって"自分に負けた結果"だと思っているので。自分に勝てるように毎日取り組んでいるので。それが良い結果として出ていたらしっかり続けていきたいですね。
本当の勝負は"後半戦"
前半戦は文句のつけようがない好投を披露してきた清水投手だが、後半戦も簡単に続けられるものではないことを誰よりも身に沁みているのは清水投手自身である。昨年の夏、先を見据えて調整方法を変えたことが裏目に出てしまい、後半戦に苦しんだ経験が脳裏に焼きついている。 清水投手:去年は夏場にバテちゃうだろうからとブルペンでの肩作りを2回から1回にしたことでルーティンを崩してしまって。そこからちょっと体の調子がおかしくなって。他にもいろいろと挙げるとキリがない。去年もここまでは良かったので、課題はここからだと思っています。 たいせつなことは目の前のハードルを一つひとつクリアしていくこと。その先に"浅尾"という伝説が見えてくるのかもしれない。あらためて「浅尾拓也投手はどんな存在か?」と問われた清水投手は次のように答えた。 清水投手:雲の上の人です。あの人が雲の上だったら僕はまだ…そうですね。寮の屋上ぐらいじゃないですか?まだ。寮は4階建てなので。まだ4階建ての屋上くらいです。記録で超えられなくても地道に浅尾さんよりももっと信頼されたいという気持ちはありますね。後半戦も「今日だけ」抑えられるように。1試合1試合頑張っていきたいと思います。具体的な数字の目標?考えてない!それを言ったらダメなんですよ(笑)