【Playback箱根駅伝】第84回/駒大 3年ぶり6度目の優勝 中央学大3位、学連選抜が4位と大健闘
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第84回箱根駅伝総合成績をチェック
第84回(2008年/平成20年) 早大12年ぶり往路V 3校途中棄権の波乱
11月の全日本大学駅伝で圧勝した駒大、出雲駅伝3連覇で前年3位の東海大の“2強”と予想された第84回大会。 東農大が4年ぶり、帝京大が3年ぶりに予選会突破を果たした一方で、前年出場校では國學院大、明大が本戦に駒を進めなかった。 1区では13位までが先頭から30秒差という大混戦となり、城西大の佐藤直樹(2年)が区間賞を獲得。駒大が2位、早大が3位と好スタートを切った反面、前回優勝校の順大はまさかの20位スタートとなった。 2区では9位でタスキを受け取った山梨学大のメクボ・ジョブ・モグス(3年)が爆走。三代直樹(順大)が持つ区間記録を9年ぶりに23秒更新する走りで先頭へ立った。1分26秒差の2位に中央学大が入り、伊達秀晃(4年)が13人抜きを見せた東海大が3位、ギタウ・ダニエル(2年)が15人抜きを演じた日大が4位に順位を上げた。 3区で大きく順位を押し上げたのが早大。前年の大阪世界選手権に出場した竹澤健介(3年)がケガを抱えながらの激走で12位から5位までジャンプアップ。中大も上野裕一郎(4年)が区間2位の好走で7位から3位に浮上した。 4区では大きな順位変動はなかったものの、2位から9位までが1分07秒差という大激戦へ。山上りの5区では早大の駅伝主将・駒野亮太(4年)が素晴らしい走りを見せた。6位でタスキを受けた駒野は駒大の安西秀幸(4年)とともに先頭の山梨学大を11km地点で逆転。駒野は前年に今井正人(順大)がマークした区間記録に7秒と迫る激走で安西を突き放し、12年ぶりの往路優勝を手にした。 往路2位は駒大。山梨学大が3位に入り、関東学連選抜が大健闘の4位に食い込んだ。また、5区では順大の小野裕幸(3年)が脱水症状を起こし、残り500m地点で無念のリタイヤとなった。前回優勝校が途中棄権となるのは1996年の山梨学大以来だった。 往路を制した早大は6区の加藤創大(2年)が区間2位に48秒差をつける区間賞で後続を突き放す。しかし、駒大は7区の豊後友章(4年)が区間2位、8区の深津卓也(2年)が区間トップと快走を続け、この時点で早大との差は15秒。優勝争いのゆくえは9区まで持ち込まれた。 9区では駒大の堺晃一(4年)が早大の三輪真之(3年)を抜き去り、逆に1分以上の大差をつけて勝負あり。10区でも駒大が逃げ切り、3年ぶり6度目の総合優勝を達成した。早大は2002年以来のトップ3で見せ場を作ったものの、終盤の底力がわずかに足りなかった。 3位は9区で篠藤淳(4年)が区間新記録を樹立した中央学大が入り、大学の過去最高順位を更新。往路4位と健闘した関東学連選抜が復路でも順位をキープして総合4位に食い込んだ。 終盤がアクシデントが続出し、9区では大東大、10区では東海大と、ともにシード圏内につけていた2校が途中棄権となる事態に。これによりシード争いは激戦となり、9区終了時で11位だった日大は2つ順位を上げて9位でフィニッシュ。9位から一時11位まで順位を落としていた東洋大は、東海大のアクシデントに救われるかたちで10位を確保した。 一方で城西大は3年連続の“シード次点”となる11位。前回シード校の日体大(12位)、専大(14位)もシード権を失った。 なお、チームは途中棄権となったものの、東海大の7区・佐藤悠基(3年)は区間記録を15年ぶりに18秒更新し、1年時の3区、2年時の1区と続いて3年連続区間新の偉業を達成した。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
月陸編集部