自殺したアイドル大本萌景さん遺族が会見、元所属事務所社長は…
愛媛県を拠点に農業の魅力を発信するアイドルグループ「愛の葉(えのは)Girls」のメンバーで、3月に自宅で自殺した大本萌景(おおもと・ほのか)さん(享年16)の遺族が、11日都内で弁護団とともに記者会見を開き、自殺は所属事務所によるパワハラや過酷な労働環境などが原因であるとして、当時の所属事務所「Hプロジェクト」代表取締役・佐々木貴浩氏やスタッフらに対し、約9200万円の損害賠償を求める訴訟を松山地裁に起こすことを発表した。
元所属事務所が理不尽なスケジュール強要、パワハラがエスカレート?
多数の報道陣が詰めかけるなか、憔悴しきった様子の萌景さんの母親・大本幸栄さん(42)と、萌景さんの姉・大本可穂さん(19)が弁護団とともに登壇。グループの中でもトップクラスの人気メンバーだった萌景さんが所属事務所にとっては稼ぎ頭として重要な存在となり、長い労働時間や、事実上、学業を優先できない理不尽なスケジュールの強要などがあったと説明した。それとともにスタッフからは、「次また寝ぼけた事言い出したらマジでブン殴る」など、過激なメッセージがLINEで送りつけられるなどしていたという。一連のパワハラは、萌景さんがリーダーになった今年1月以降はさらにエスカレートして悪質になったと主張。そんな中、これまでも幾度か「グループをやめたい」と言ったことのある萌景さんは、幸栄さんに「やめたい。つらいんよ」とLINEなどを通し、心境を吐露していたそうだ。
深刻だった学業面の悩み 全日制高校への転学話が…
一方で萌景さんは、高校生活でも深刻な悩みを抱えていたという。通信制の高校1年生だった萌景さんは、登校日である日曜日にグループのイベント出演などを半ば強制されることからもグループをやめたいと思っていたが、佐々木氏から昨年、全日制高校への転学を提案されたという。全日であれば土日は休みなのでイベントともかぶらず、さらに学費については佐々木氏および事務所側がなんとか工面するから心配はいらないということで、萌景さんはその話に飛びついた。そして今年4月からは、友人も通っている全日制高校の学生になることを夢見ていたという。