鈴木亮平が掲げる新時代の俳優の矜持「演技だけやっていればいい、では足りない時代に来ている」
ドジは僕の代名詞みたいなものですから
鈴木亮平と話していると、その人間力の高さに圧倒されてしまう。だが、そう伝えても、彼はきっとまた困ったように笑うだろう。だから、あえて聞いてみた、鈴木亮平のポンコツなところを。 「ポンコツばっかりですよ。まず、すぐ風邪ひくんですよね」 待ってましたとばかりに話し出す彼に、「そんなに鍛えているのに……?」と疑いの目を向けると、「出た!」とオーバー気味に笑って、こう続ける。 「体を鍛えている人は健康だと思ってるでしょう。関係ないですから。むしろ筋トレして体をいじめた後ほど免疫が下がって風邪をもらいやすいんですよ。筋トレ後は回復が大事なので、ちゃんと寝ちゃいけないのに、仕事が忙しいと寝られなかったり。そしたらもうヒュンッて免疫下がって、すぐ風邪をひきます。基本、全部の菌をもらっていくスタイルです(笑)」 自分のダメなところを語るときほど、鈴木亮平はイキイキとしゃべる。出身は兵庫県西宮市。関西人らしいサービス精神の塊みたいな人だ。 「あと、ドジは僕の代名詞みたいなものですから。この間も、次に入る映画の方々とお会いして、みんなでご飯でも食べに行きましょうとお店に入ったんです。そして、1品目が出てきて、箸袋から箸を抜こうとした瞬間、勢い余って箸がスパーンッと向こうの方へ飛んでいきました(笑)。まだみなさん緊張されているので、呆気にとられてるんですよ。だから僕から説明しました、『僕はみなさんが思っているようなしっかりした人間ではありません。こんなことを毎日やるのでお見知りおきを』って」 そうおかしそうに笑う目元には、豊かなシワが刻まれていた。男の可愛さと色気が同居したシワだ。大人の余裕と包容力。そして、少年のような好奇心と探究心。その両方が鈴木亮平にはある。 50歳、60歳になった鈴木亮平はどんな顔をしているだろうか。きっと今よりもさらにいい顔になっているに違いない。たっぷりに刻まれた目尻のシワは、鈴木亮平の生き方そのものを語っていた。 取材・文:横川良明 撮影:Jumpei Yamada スタイリスト:丸山晃 ヘアメイク:宮田靖士(THYMON Inc.) <作品情報> Netflix映画『シティーハンター』 4月25日(木) Netflixにて世界独占配信 出演:鈴木亮平 森田望智 安藤政信 華村あすか 水崎綾女 片山萌美 阿見201 杉本哲太 迫田孝也/木村文乃 橋爪功 【ストーリー】 新宿東口の伝言板に書かれた「XYZ 妹をさがしてください」というメッセージを受け、相棒の槇村秀幸と共に、有名コスプレイヤーくるみの捜索依頼を請け負った“シティーハンター”こと冴羽獠。その頃新宿では謎の暴力事件が多発し、警視庁の敏腕刑事 野上冴子は手を焼いていた。息の合ったコンビネーションでくるみを追う獠と槇村だったが、捜査の最中、槇村が突然の事件に巻き込まれ死んでしまう。獠が事件現場に駆けつけると、そこにいたのは槇村の妹の槇村香。兄の死の真相を調べてほしいと香は伝言板で獠に依頼するが、香を巻き込みたくない獠は香を避け続ける。 しかし香がくるみを発見、保護したことで状況は一変。くるみがコスプレイヤーとして出演するイベントに、獠と香は護衛役として潜入することになった。ステージに登壇するやいなや、一気に注目の的となるくるみ。しかしそんな彼女に視線を送るのは、観客やメディアだけではなかったーー。