<挑む・センバツ2023東邦>身近にプロ、3人活躍 8強かけ、きょう報徳学園戦 /愛知
第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第9日第3試合(28日午後1時半開始予定)で報徳学園(兵庫)と対戦する東邦には身内にプロ野球選手がいる選手が3人いる。身近な存在に追いつこうと、闘志を燃やし、今大会では三者三様の活躍を見せている。 主将の石川瑛貴(3年)の兄はプロ野球中日の内野手、石川昂弥さん(21)だ。昂弥さんは2019年のセンバツに主将として出場。エース兼主軸打者としても活躍し、東邦を平成最後の優勝に導いた。石川も昂弥さんと同じように主将を任され、自らの打棒で4年ぶりの甲子園出場を決めた。 甲子園でも打率5割と活躍。25日の高松商戦では、二塁打を3本放ち、4番の役割を果たした。石川は「兄は決勝戦でホームランを打っている。自分も同じ場面でホームランを打ちたい」と意気込む。 外野手の上田耕晟(3年)の父は中日の2軍打撃コーチで、1991年のセンバツで準優勝した松商学園(長野)のエースだった佳範さん(49)。父の姿に憧れてプロを目指す上田は、19日の鳥取城北戦(鳥取)で4打数2安打の成果を出した。「父も出た甲子園でヒットを打ちまくってチームを勝たせたい」と父を超えるセンバツ優勝を目指す。 背番号10の山北一颯(3年)の父は中日や横浜で通算208試合に登板し、長身から投げ下ろすスタイルから「和製ランディ・ジョンソン」と呼ばれた山北茂利さん(45)だ。左腕だった父に対し、山北は右腕だが、父譲りの高身長を生かした投球が持ち味。普段はリリーフだが、高松商戦では大舞台で初めてとなる先発のマウンドを任された。「緊張したけど、ここでアピールしたい」と踏ん張り、6回1失点の好投を見せ、エース宮国凌空(3年)の温存に貢献した。 あと1勝でセンバツ勝利数全国最多。偉業達成を目指し、3人がさらに躍動する。【森田采花】