いまの時代「ほぼ100%負ける資産形成戦略」とは?【ミニマリスト・なにおれ氏の助言】
資産運用でお金を確実に増やす方法はありません。だからこそ、長い目で見れば可能性の高いところに投資しておきたいものです。本記事では、大人気ブロガー・なにおれ氏の著書『31歳、夫婦2人、月13万円で、自分らしく暮らす。 僕たちが見つけた質素で最強の生き方』(大和出版)より一部抜粋・再編集し、同氏の資産運用に対する考え方を紹介します。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
現金だけを保有することは損
ここでは、資産運用の話に触れたいと思います。ただ、僕は資産運用のプロでもなければ、熱心に資産運用の勉強をしている投資家でもありません。ですので、あくまで僕がどのような考えの元、資産運用を行っているかという話をします。 結論からいえば、生活費の1年分の現金だけを銀行に預け、残りのお金のほとんどは投資信託に毎月積み立てています。 本書では、わかりやすいように「お金を貯めよう」と話してきましたが、現金だけを保有することを推奨しているわけではありません。むしろ、現金だけしか持たないことには明確に反対の立場にいます。理由はシンプルで、現金だけでお金を持ち続けることはほぼ100%負ける資産形成戦略だからです。 単純に考えても、銀行にお金を預けてもらえる金利が年0.1%なのに対して、ものの値段が上昇するインフレ率が年1%なら、物価上昇分を預金金利で吸収できません。たとえば、預金100万円の年利0.1%は1000円ですが、物価が1%上昇すれば100万円のものは101万円になります。お金が年間で1000円しか増えていないのに、ものの値段が1万円高くなっていたら、それはお金が減っているのと同じ意味です。 日本は長らくものの値段が下がるデフレ下にありましたが、人類の歴史を長い目で振り返ればインフレの歴史です。また、日本政府もインフレを目指して政策を進めています(本書刊行2022年11月時点)。そのため、今後の日本の未来を想定するときは、インフレを前提に考えるほうが現実的だと思っています。 つまり、現預金だけではほぼ負けが確定しているので、元本が割れる可能性があるとしても、株式などに投資する必要性が出てくるわけです。とはいえ、残念ながら資産運用で100%お金を増やす方法は存在しません。