琴桜&豊昇龍、初場所後の横綱同時昇進に期待 横審委員長「深く願っている」
大相撲九州場所で初優勝した大関琴桜(27)が千秋楽から一夜明けた25日、福岡市内の佐渡ケ嶽部屋で会見し、横綱昇進に初めて挑む来年1月の初場所(12日初日、両国国技館)へ腹を決めた。豊昇龍(25)と21年ぶりとなる大関同士の千秋楽相星決戦を制し、自己最高の14勝1敗。豊昇龍は優勝次点となった。この日は日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)が東京・両国国技館で開かれ、横綱同時昇進に期待が高まる。 【写真】祖父でもあった先代琴桜の墓前で手を合わせる2代目琴桜と佐渡ケ嶽親方 大関同士の相星決戦を制した琴桜について、横審の山内昌之委員長(77)=東大名誉教授=は「優勝してもおごらず高ぶらず、過剰なしぐさもせず、将来の横綱に近い風格、落ち着きを感じる。素晴らしい力士に成長している」と称賛した。 横審の横綱昇進の内規は「大関で2場所連続優勝もしくはそれに準ずる成績」。協会で昇進問題を預かる審判部の高田川部長(元関脇安芸乃島)は千秋楽の打ち出し後、琴桜は来年1月の初場所で綱とり、13勝の優勝次点だった豊昇龍にも「いい相撲を取れば大きな夢を引き寄せる」と、そろって昇進に挑む場所との見解を示した。山内委員長は豊昇龍にも「将来の横綱を意識して琴桜と競ってほしい」。 横綱同時昇進が実現すれば、昭和45年春場所の「北の富士-玉の海」以来で6組目となる。同委員長は同時昇進を「深く願っている」とし、新大関場所を9勝で終えた大の里が割って入り「ダブルどころか、来年はスケールの大きい夢を見たい」と期待した。(奥村展也)