『今日好き。九龍編』2話ーー観覧車で過ごすナイトデート 会話のラリーに不穏な空気?
11月20日よりABEMAにて放送中の恋愛番組『今日、好きになりました。九龍編』(以下:今日好き)。現役高校生たちが2泊3日の修学旅行に飛び出し、運命の恋を見つける同番組には、時に甘酸っぱく、思わず胸がキュンとするような青春と恋模様が溢れんばかりに詰まっている。 【写真】ナイトデートで深い時間を過ごすゆずきとそら 以下より、11月27日公開の2話から見どころを紐解いていく。細かなネタバレもあるためご注意いただきたい。 ・そら、るいに対する恋心は途切れず「キモチは揺らがなかった」 新たな環境に放り込まれたら、誰でも少しは萎縮してしまうもの。だが『九龍編』メンバーのやる気はすごい。初日からすぐ旅の雰囲気に溶け込み、『今日好き』に参加したからには、全力で“今日好きをしよう”としている。その意志は、ゆずき(松田謙希)×そら(中川そら)がナイトデートから帰還したところ。初日ラストのタイミングで、ライバルへの遅れを取り戻そうとする“リベンジ2ショット”の様子からもはっきりと伝わってきた。 たかと(矢口昂歩)×ひいろ(鈴木日彩)、るい(村澤瑠依)×そら、ゆずき×のりか(千葉紀佳)の2ショットのなかでも、とくに気になったのは、るい×そらの高1・高3の年の差ペア。前述のナイトデートによって、そらとの別行動中も気が気ではなかったるい。彼女を2ショットに誘って早々、キモチの変化について尋ねると、おそらくは想像してなかっただろうラッキーな回答が。「キモチは揺らがなかったから。るいくんがいちばんキモチが大きいかな」。 これにはさすがに、るいも“おぉ~”と言わんばかりに頬が緩む。感情があまりにわかりやすく表情に表れるため、本当にカメラが寄っていて楽しくなる人だ。また、最後には初の記念撮影も。ランチの際にも2ショットで仲を深めたふたりだが、その際には撮るのを忘れていたとのこと。そのくらいに楽しい時間を過ごしていたのだろうと、勝手ながら想像をしてしまった。 ・ゆずき、そらとのナイトデートは気まずい雰囲気に それではなぜ、そらはゆずきとナイトデートという深い時間をともに過ごしながらも、るいから心変わりをしなかったのか。前述のるいとの“リベンジ2ショット”の少し前。ゆずきとそらが一緒に観覧車に乗ったシーンに遡って振り返ってみよう。 本来であれば、高所からの景色をゆったり楽しむはずなのに、なぜだか回転スピードの速い今回の観覧車。ゆずきとそらもそのことに気がついたのだが、「速いね」というやりとりだけで、なんと観覧車が1周しきってしまう。するとそのまま2周目に。ここから会話を深めるチャンスでしかなかったのだが、緊張なのか、はたまた単純にラリーが続かないのか、お互いに徐々に口数が減り、ゴンドラのなかに静寂が流れる場面も。このナイトデートこそ、ゆずきから誘ったのだから、できれば彼に会話をリードしてほしいものだが、そのあたりにも気を遣い、話題を振ろうとしていたのはそらの方だった。 こうした空気に、スタジオの“恋愛見届け人”たちからもアドバイスや、ゆずきを応援する声援が。「大丈夫、話を続けよう」と、画面越しのゆずきに落ち着きを求めるが、もし自分があの張本人だとしたら、きっと汗が止まらず、体の熱気が相手に伝わってしまうと心配で、頭が回らなくなってしまうかもしれない。 とはいえ、観覧車に乗って「速いね」と観覧車の話や、そこから見える景色の話をすること。第一印象の相手について尋ねて、そのまま第一印象についての話題を進めてしまうこと。これでは恋は発展しない。たとえば、気になる相手と観覧車に乗れたことがうれしいと語ったり、第一印象で別の男子を気になっていたとしても、それでも自分は“あなた”を気になっている。そして、“あなた”が気になっている男子への想いを上回るくらい、これからアピールを重ねていくと宣言したり。どんな状況でも、自分と相手だけがつくれる世界の話をすることこそ、カップル成立までの最短ルートである。 ・ナイトデート=ロマンチックなわけじゃない! リアルな恋を映した『九龍編』2話 と、ここまで書いたところで、さすがに高校生には高等テクニックすぎるかと思ったほか、そらがるいと初2ショットをしたときは、そうした技術を抜きに自然と会話が盛り上がっていたこともふと頭をよぎった。となるとやはり、これは相性の問題。そらはナイトデート後、本当ならばゆずきにもう少し会話をリードしてほしかったとこぼしていたほか、ゆずき自身も「(観覧車での時間が)もうちょっと長かったら、ちょっと厳しかったかもしれない」と振り返っていた。とはいえこれは、決して間違いでも、悪いことでもない。 こう書くと、身も蓋もないと笑われてしまうかもしれないが、ナイトデートと聞くとロマンチックな展開を期待してしまうが、必ずそうなるわけではない。ひいては『今日好き』参加メンバーも、友だちではなく、あくまで恋人になるかもしれないという意識のもと、全員が全員とぴったりハマるわけではないのは言わずもがな。 今回のナイトデートも、そもそもが初対面の段階から始まったものなのだから、お互いに結果を予想できなかったところだろう。そうした意味で、とてもリアルな人間関係を映し出していたし、前々回の『カンヌン編』、前回の『台北編』と、ともに3組ものカップルが成立している、ここ最近の景気がよい『今日好き』で、改めて恋愛の難しさやリアルさを再認識させてくれたと思う。総じて、非常に学びのあるオンエアだった。
一条皓太