タレント集団・興國 悲願のインターハイ初出場へあと「2勝」!
今年から福島県楢葉町のJヴィレッジ開催となる全国高等学校体育大会(サッカー競技)男子、2枚の切符と春の大阪高校サッカーてっぺんをかけて4月14日に開幕した「2024大阪高校春季サッカー大会(男子)」。5月26日には大阪府堺市のJグリーン堺において、大会8強を決する中央トーナメント2回戦8試合が開催された。 【フォトギャラリー】興國 vs 常翔学園 うちS4ピッチでの第2試合では数多くのJリーガーを輩出しながら意外にもインターハイ出場がまだない興國が常翔学園と対戦。両校のスタートフォーメーションは以下の通りである。 まず興國はアンカー役を中盤底に置いた「4-3-3」。スターティングイレブンはGKに1高山颯大(3年)。4バックは右から2松岡敏也(2年)、16竹村咲登(2年)、5國岡俊哉(3年)、23成田創(3年)。中盤はアンカーポジションにキャプテンの6尾形祐輔(3年)が入り、その前に8水野凪斗(2年)と14樺山文代志(2年)。3トップは右から11安田光翔(2年)、7芋縄叶翔(2年)、19松元アンドリィ(3年)となった。 対する常翔学園は中盤ダイヤモンドの「4-4-2」。スターティングイレブンはGKは1木藤原圭悠(3年)。4バックは右から3新山徹(3年)、キャプテンの17石尾琉雅(3年)、5西坂柊哉(2年)、22益田陸翔(3年)。中盤はワンボランチに6葉室悠翔(3年)が入り、サイドハーフは右に7橋野心翔(3年)、左に14河辺修治(3年)。トップ下に10藤川綾人(3年)。2トップは18大谷勇翔(3年)と19大谷康多(1年)の「ダブル大谷」となった。 試合は高い技術と前線の突破力を利した興國の攻めを常翔学園が球際の強さで跳ね返し、カウンターを狙う展開に。ただ、興國はなかなかシュートに持ち込めず前半のシュートは3本のみ。常翔学園も前半のシュートは1本のみだった。 ただ、興國はこの膠着した展開でも慌てることはなかった。現役時代は京都サンガ、アルビレックス新潟、徳島ヴォルティスで中盤を支配した六車拓也監督は後半に入ると裏抜けのスピードに優れるFW9仲谷蓮斗(3年)ら攻撃的な選手を入れ、前線を活性化。常翔学園も途中出場のFW16友本柊(3年)の無回転ミドルなどで応戦するが、試合の流れは徐々に興國の側に傾いていく。 そして後半も終了間近となった69分。ついに興國は常翔学園ゴールを破った。CKの流れから混戦となったところで9仲谷が身体を張って渡したボールをPA右角度のないところから振りぬいたのは7芋縄。六車監督も「交代選手がいい仕事をしてくれた」と讃える前線の連携でもたらされたゴールが決まると、選手たちはゴール裏に陣取った応援の輪に飛び込んでいった。 かくして常翔学園の奮闘を下し悲願のインターハイ初出場まであと2勝と迫った興國。初戦で金光大阪、準決勝で履正社対関大一の勝者が待ち受ける激戦へ向け、この70分間はいいスタディとなったに違いない。 (文・写真=編集部)