石破総理が所信表明演説 闇バイト問題「断じて許してはならない。犯罪グループの検挙を徹底」103万円の壁は「税制改正の中で議論し引き上げる」
石破茂総理が29日、衆議院本会議で第2次石破内閣としての所信表明演説を行った。10月に行われた衆議院選では自民党・公明党の与党が過半数を割る「少数与党」となり、躍進した国民民主党をはじめ野党との政策協議を進めている。石破総理は「自由民主党と公明党の連立を基盤に、他党にも丁寧に意見を聞き、可能な限り幅広い合意形成が図られるように紳士に、謙虚に取り組んでいく」と述べた。 【映像】石破総理「103万円の壁」引き上げを明言した部分 石破総理は3つの重要政策課題を挙げた。1つ目の課題は「外交・安全保障上の課題への対応」で、「ロシアによるウクライナ侵攻が続き、北朝鮮の兵士がウクライナに対する戦闘に参加している。中東地域で続く報復の応酬もいまだ終わりが見えない」とし、また中国やロシアの軍用機が領空を侵犯したことにも触れた。さらに北朝鮮についても「近年かつてない高い頻度で弾道ミサイルの発射を繰り返している」「各国との対話を重ね、我が国にとって望ましい安全保障環境を作り出す」と語った。またアメリカでは来年1月に第2期トランプ政権が発足するが「トランプ次期大統領とも率直に議論を行い、同盟をさらなる高みに引き上げる」とした。 また2つ目の課題は「日本全体の活力を取り戻す」こと。「人口減少によって、地域の活力、そして経済の活力が低下している。こうした状況は我が国の経済、社会システムの持続可能性への不安を生み出し、さらなる人口減少につながりかねない」とし、地方創生から日本経済の活気を取り戻す「地方創生2.0」についても言及した。 3つ目の課題には「治安・防災」へのさらなる対応を挙げた。能登半島地震・豪雨での教訓を踏まえ「被災者が災害関係の各種申請を容易に行うことができるよう、さらなる改善を取り組む」と述べると、治安対策については「闇バイトによる強盗・詐欺の報道を見ない日はない。日本社会の中で大切にされてきた価値観・道徳観を揺るがしかねないものであり、こうした犯罪を断じて許してはならない。悪質な事件の主体となっている、いわゆる匿名・流動型犯罪グループの検挙を徹底するための取組を一層推進する。闇バイトを募集する情報のインターネット上からの削除にも一層努める」と語った。 このほか、野党との協議で取りまとめている経済対策については「党派を超えて、優れた方策を取り入れるべく最大限の工夫を行ってきた」とし、いわゆる「103万円の壁」についても言及。「令和7年度税制改正の中で議論し引き上げる。いわゆる暫定税率の廃止を含むガソリン減税については、自動車関係諸税全体の見直しに向けて検討、結論を得る」と語った。 (ABEMA NEWS)
ABEMA TIMES編集部