iPhone「マイナンバーカード」機能搭載へ プライバシー保護は大丈夫? 何が便利になる? 専門家が解説
◆行政手続き、銀行口座開設などが便利に
吉田:「iPhone」にマイナンバーカードの機能を搭載すると、どういったことができるようになるのでしょうか? 塚越:まず、利用者は事前に行政手続きのオンライン窓口である「マイナポータル」を通じて、電子証明書を登録する必要があります。そのうえで、先ほど述べたようなウォレットにマイナンバーカードを登録して、生体認証が通ればカードが提示される仕組みになっています。開始時点ではApple Watchでは使えませんが、将来的には対応するとのことです。 ちなみに5月31日(金)に、マイナンバーカードのすべての機能をスマホに搭載できるようにする「改正マイナンバー法」が、参院本会議で賛成多数で可決成立しています。これによって、行政手続きだけでなく、スマホだけで銀行口座を開設する際の利便性などが向上します。
◆プライバシー保護はどうなっている?
ユージ:マイナンバーカードの情報の保護など、安全面は大丈夫ですか? 塚越:やはり気になるのはそこですよね。カードの紛失も問題ですが、現代日本でスマホを落とすことはとても恐ろしいことです。Appleによれば、決済サービスなどですでに実績のある「セキュアエレメント」と呼ばれる暗号処理回路や、あるいは顔認証や指紋認証といった「生体認証」を利用してセキュリティを保護するとのことです。情報は暗号化されて端末にだけ保存するので安全とのこと。他人に拾われても、生体認証を突破しなければ情報は見られないということです。 また、iPhoneには紛失したときのリスク対策として「iPhoneを探す」という機能があります。そのためiPhoneを落としても、パソコンや Apple WatchからiCloudの「iPhoneを探す」に入れば、紛失した場所を特定したり、最悪の場合は遠隔操作によってiPhoneの情報をすべて消去したりすることもできます。バッテリー消費は少し早くなりますが、iPhoneの「探す」機能はオンにしたほうが良いのかなと思います。