/31 第77回大会(2005年) 強攻策で初V、愛工大名電
2005(平成17)年の第77回大会は初出場チームが活躍した。羽黒が山形県勢初の4強入りを果たし、21世紀枠の一迫(いちはさま)商(宮城)は前年夏の選手権8強の修徳(東京)を破った。筆頭格は後にプロ入りするエース野上亮磨投手(巨人)を擁する神村学園(鹿児島)。決勝に進出し、前年春の第76回大会で初出場優勝を飾った済美(愛媛)と同じく創部3年目での頂点を目指した。しかし、その済美に決勝で敗れた愛工大名電(愛知)が立ちはだかった。 愛工大名電と言えば、相手投手や守備陣をバントで揺さぶる攻撃が有名だが、この日は野上投手の試合前の投球練習を見て球に切れがないと判断し、強攻策に切り替えた。一回、先頭の山田周平外野手の中越え三塁打と犠飛で先制後、4番・堂上直倫内野手(中日)が左翼ポール際へこの大会2本目の本塁打を放って2点先取。三回にも佐々木孝徳外野手の左越え適時三塁打などで2点を加えた。終盤には機動力も発揮。七回には4安打に5盗塁を絡めて3点を追加し、初優勝を手繰り寄せた。 主戦・斉賀洋平投手は前日の準決勝の神戸国際大付(兵庫)戦で六回から十亀剣投手(西武)の救援を仰ぎ、体力を温存した。縦のスライダーやフォークといった変化球を交え、神村学園を4安打に抑え、この大会4試合目の完投。1年前の決勝で先発を任されながら、二回途中で降板した屈辱を晴らした。 前年の準優勝校が優勝したのは、平成最初の第61回大会(1989年)の東邦(愛知)以来。愛知県内のライバルに続いた。=つづく ……………………………………………………………………………………………………… ▽決勝 神村学園 000000020=2 20200032×=9 愛工大名電