1番にこだわり、負けると癇癪を起こします【子育て相談】
「負ける」ことに上手に付き合える方法を、いくつか紹介します。 まず、負けた時のために、本人が落ち着ける方法を一緒に探してみましょう。子どもによっては、休憩したり、一人で過ごしたり、絵を描いたり、音楽を聴いたりする必要がある子もいるでしょうし、マインドフルネスのアクティビティの一つである深呼吸が効果的な子もいるでしょう。 本人が落ち着ける場所、もの、アクティビティなどを、本人とアイデアを出し合ってあらかじめ決めておきましょう。実際に本人が負けるような場面に遭遇した場合は、あらかじめ決めておいたアイデアを思い出させてあげてください。 次に、言語発達中の子どもはもちろんのこと、大人でも自分の気持ちを正確に認識し、言葉にするのは難しいものです。負けた時の本人の悔しい気持ちや怒りの気持ちを表現する言葉を、子どもと一緒に探してみましょう。喜怒哀楽といった感情カードを使って、気持ちを認識する練習を普段からすることで、マインドフルに今の自分の気持ちに向き合うスキルを身につけます。そして、例えば「私は負けた時、悔しくて、叫びたい気持ちになるよ」というふうにお手本を見せてあげながら、子どもと一緒に感情を表現する方法をロールプレイで練習します。 負けた時のシナリオを考えて、相手の勝利を祝福するロールプレイも良いでしょう。 例えば、カードゲームで負けたという状況を想定します。まず、勝った時と負けた時に自分と相手がどんな気持ちになるかを、子どもと話し合ってみてください。その上で、勝った相手に対して、拍手やハイタッチをするなど、具体的な行動を通してどのように祝福できるか練習してみてください。
最後に、しりとりなど勝ち負けが比較的速いペースで入れ替わるようなゲームを、家族の時間に取り入れてみてください。この際に勝ち負けにフォーカスせずに、家族で一緒に楽しむことを強調しましょう。 子どもが言葉につまっていたら、ヒントを出したり、競争心の強い子どもにヘルパーになってもらったりするなど、勝ち負けだけでなく、助け合うことも楽しい時間を共有する一部であることを体験させてあげてください。しりとりは、言語能力を養うと同時に、自分の順番を待つ忍耐力も育むほか、車や電車での移動時でも簡単に行えるゲームとして向いています。
島村華子(モンテッソーリ&レッジョ・エミリア教育研究者)