1番にこだわり、負けると癇癪を起こします【子育て相談】
1番になれないと、泣きながら癇癪を起こしてしまう……負けず嫌いの子どもの協調性を育む方法はあるのでしょうか? モンテッソーリ&レッジョ・エミリア教育研究者である島村華子先生の著書、『親子でできるモンテッソーリ教育とマインドフルネス 』より、4歳の男の子のお母さんの悩みを抜粋してご紹介します。 ※本稿は島村華子著『親子でできるモンテッソーリ教育とマインドフルネス 』(創元社)より一部抜粋・編集したものです。 ※本記事の参考文献については、抜粋元の書籍に記載しています。
Q.負けず嫌いで1番にこだわります
下の子は 負けず嫌いで1番にこだわります。競争心があるのは良いことだと思いますが、負けると泣き叫ぶなど癇癪を起こすので困っています。 マインドフルネスやモンテッソーリ教育で子どもの協力性を育むにはどうしたら良いでしょうか? (小3と4歳男子の母)
A.負けた時のために、本人が落ち着ける方法を探しましょう
確かにある程度の競争心は大切ですが、周りは対応に困ってしまうこともありますね。お子さんの年齢を考えると、競争心はごく普通のことです。4歳前後になると、子どもは競争という概念を認識し始めます。幼い子どもほど、相手への影響を考えずに強制的な手段を使ってもほかの子に勝ちたい気持ちが大きいほか、末っ子ほど競争心が強い傾向にあります。 また、3~5歳までの子どもは、発達段階的に自己中心主義であるのが特徴的です(4) 。これは大人が考えるいわゆる「自己中な人」とは違い、この年齢の子どもはほかの人の目線に立つ考え方がまだ発達していません。このため、競走で負けたとしても、自分以外のだれかが自分より優れていることを理解したり、ほかの人の業績を認識したりするのは非常に難しいのです。 発達上よく見られることとはいえ、お子さんによっては競争心が人一倍強い場合もあるでしょう。モンテッソーリ教育では、不必要な競走はできるだけ取り除くように設計されています(※)が、生きている以上勝ち負けは避けられません。 ※横割りではなく縦割りの設計であるため、同学年との競走ではなく、異学年内の協力を育む。また、カリキュラムを進めるのに1年ごとではなく3年間の余裕があるため、競走やプレッシャーがなく、個人のペースで学習を進めることができる。