クロアチア代表、背番号10の系譜(5)すごすぎ…! 世界最高の輝きを放った英雄
クロアチア代表の「背番号10」は、どうやら他の国の「背番号10」とはやや毛色が違う。圧倒的なスター選手が着けているというより、先頭に立ってチームを引っ張る生粋のリーダーたちが着けてきた背番号だった。ユーゴスラビアが崩壊して独立した後、初出場だった1998年フランス大会から2018年ロシア大会までクロアチア代表が過去に参戦した5度のワールドカップで背番号10を託された選手たちの系譜を振り返る。
ロシアワールドカップ(2018)
背番号10:ルカ・モドリッチ(レアル・マドリー) 生年月日:1985年9月9日(当時32歳) 個人成績:7試合出場/2得点1アシスト 監督:ズラトコ・ダリッチ 戦績:準優勝 3度目のワールドカップでついに真価を発揮した。グループリーグ初戦のナイジェリア代表戦と第2戦のアルゼンチン代表戦の2試合連続でゴールを挙げ、マン・オブ・ザ・マッチにも選ばれた。早々に5大会ぶりの決勝トーナメント進出も決めて、第3戦のアイスランド戦も制して3連勝を飾った。 そこから先の戦いでは勝利に直結する決定的な活躍のみならず、心身のタフさも証明することができた。ラウンド16のデンマーク代表戦と準々決勝のロシア代表戦はPK戦までもつれる激闘で、準決勝のイングランド代表戦も延長戦に突入した。 クロアチア代表は3試合連続120分間という死闘に次ぐ死闘をくぐり抜け、同国史上初のワールドカップ決勝に到達する。さすがに決勝トーナメントに入ってから全ての試合で延長戦も戦ったことによる疲労はぬぐいきれず、決勝ではフランス代表に敗れて悲願の世界一は逃した。 とはいえ、クロアチアにとってはもちろん過去最高成績で、7試合中3試合でマン・オブ・ザ・マッチに選ばれていたモドリッチは大会最優秀選手にあたるゴールデンボールを受賞。近年クリスティアーノ・ロナウドとリオネル・メッシの2人が分け合っていたバロンドールやFIFA最優秀選手賞も、モドリッチの手に渡った。 2018年のUEFA最優秀選手賞も獲得したモドリッチは、苦しみ続けた世界の舞台でキャリア最高の輝きを放ったのだった。
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