鈴鹿サーキットで行なわれたスーパーフォーミュラ開幕戦。トヨタ／TRDエンジン搭載チームは、予選で阪口晴南（VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING）がポールポジションを獲得し、決勝では山下健太（KONDO RACING）が野尻智紀（TEAM MUGEN）に次ぐ2位に入ったが、決勝トップ10に入ったのは11台中3台と、全体的にはやや苦戦したレースとなった。 【動画】スーパーフォーミュラは早くも2024年シーズン開幕！　第1戦鈴鹿：決勝ハイライト 　特にトヨタ勢のドライバーから聞かれたのは、ストレートスピードで苦戦しているという点。予選17番手に終わった国本雄資（ITOCHU ENEX TEAM IMPUL）は予選後、マシンのフィーリングには手応えがあったものの、ストレートスピードに悩まされたとして次のように語っていた。 「予選ではコンディションも良かったですし、クルマのバランスもかなり改善されていて自信を持って走ることができたんですけど、トラブル級にストレートスピードがかなり落ちてしまいました」 「クルマ的にはQ2に進めるぐらいのパフォーマンスはあったと思うので、すごく残念です」 　昨年のチャンピオンである宮田莉朋のマシンに乗り、今年のタイトル候補と目されている坪井翔（VANTELIN TEAM TOM’S）も、予選10番手と振るわず。国本と同様マシンのフィーリングは悪くなかったものの、トヨタ勢の中では特に直線スピードが伸びなかったと語っていた。 「ストレートスピードが同じトヨタ勢でも5～6km/h、ホンダ勢と比べたら7～8km/hも遅くて、クラス違いのレベルで遅いので、『なんで？』という感じです」 「前回のテストではそこまでではなく、280kmくらいは出ていたと思いますが、予選でも277km/hくらいしか出ていませんでした。コーナーはそんなに遅くないフィーリングで、Q1もQ2もそんなに違和感なくアタックできていましたし、大きな失敗があったわけでもないです。（他よりも）5～6km/h遅いことでコンマ4、5秒遅れるということになり、それがなければ1分35秒台ってトップ争いができていたのかなと思っています。クルマやドライビングではないところで問題が起きているので、早く原因を見つけてほしいです」 　坪井のチームメイトで予選20番手の笹原右京（VANTELIN TEAM TOM’S）も同様の症状を訴えていたが、彼はエンジン以外が原因の可能性があると指摘していた。 「なぜこんなに遅かったのか分かりません。なぜかストレートスピードに苦しんでいて、僕はテストから毎回最後尾でした。エンジンのせいではなく、車高やダウンフォースが関係しているかもしれません」 「ポールは難しくとも、5番手や6番手になるチャンスはあると思っていたので、かなり驚いています」 　決勝レースでは、福住仁嶺（Kids com Team KCMG）のように、ホンダ勢に対抗するためにダウンフォースをやや削る方向にセッティングを調整したチームもあった様子。ただ笹原も「ストレートスピードの遅さをカバーしようといろいろやったらクルマのバランスも崩れてしまった」と、15位に終わったレースを振り返っている。 　また坪井も決勝を11位で終え、名門トムスは無得点で開幕戦を終えることに。坪井は「ともかくストレートが遅すぎた」として、「クルマ的にももう少し改善したいところもあるので、その辺は突き詰めていかなければならないなと思うんですけど、少なくとも乗っていて悪いフィーリングではないので、ストレートで失っている部分は残念ですね」と語っていた。 　こういった現象については、確固たる原因を掴めていないといった様子の各チーム。次戦は5月のオートポリス戦ということで、開幕戦とは季節も標高も異なることになるが、状況を好転させられるかどうかにも注目だ。