世界一の棋士を育てるガンオタ先生 ~囲碁棋士・藤沢一就~
大きすぎる父の背中を追う
平成22年には娘の藤沢里菜が11歳6ヶ月の最年少でプロになった。その後15歳で初タイトルを獲得するなど、大活躍している。 「父は大きすぎて、遠すぎる存在。今思えば、もっと話をしたり、囲碁を教わっておきたかったなと思います。自分が教える立場に立って、父がたくさんの人を受け入れて教えていたことを本当にすごいなと思いますし、少しでも近づければと思う。娘にはもちろん頑張ってほしいですが、本人の目標も高いので、結構厳しいことも言っていますね」 クールな印象の藤澤が柔らかい表情になるのは、楽しそうにガンダムの事を話すときと、弟子たちについて語るときだ。そして今日も、大人買いしたガンダムのクリアファイルに囲碁の問題をたくさん詰め、なかなか見る時間のないガンダムのDVDボックスを横目に見ながら、大きすぎる存在の父・藤沢秀行の思いを継ぐべく、弟子の指導に奮闘している。 ※1 プロになるための養成機関のこと (ライター 王真有子)