皇后雅子さま「華麗なるティアラのルール」 なぜ大統領を招いた宮中晩餐会で、宝冠は輝かなかったのか
2019年のトランプ大統領夫妻、2018年のベトナムの国家主席夫妻、2016年のシンガポール大統領夫妻を招いた晩餐会では、天皇陛下や男性皇族はタキシード、女性皇族は和装やティアラなしのドレス姿だった。 他方、2016年のスペインやベルギー国王夫妻を招いた晩餐会では、頸椎症性神経根症のためにティアラの着用を見送っていた当時の皇后美智子さま以外の女性皇族は、ティアラを着用している。 ■愛子さまティアラで晩餐会はいつ? しかし、実際には両国間で事前にドレスコードの調整が行われると、宮内庁で儀式を統括する式部職を長く経験した人物は説明する。 夜間の男性の正礼装とされるのは、燕尾服(ホワイトタイ)または民族衣裳。準礼装とされるのが、タキシード(ブラックタイ)または民族衣装だ。宮中晩餐会でのドレスコードがどちらになるのかは、相手国との相談の上で決められる。 ちなみに、2005年のモロッコ国王、2011年のブータンの国王夫妻、2012年のクウェート首長を招いての晩餐会では、国王や首長らは民族衣装で臨んでいる。 対して皇室側は、燕尾服とティアラで臨むときもあれば、タキシードと和装のときもあり、相手が国王であっても服装は一律ではなかった。 「男性の燕尾服に対応する女性の正礼装がローブデコルテにティアラ(宝冠)です。国王かそうでないかというよりも、ドレスコードによってティアラの有無が決まるということです」 と、前述の人物は説明する。 愛子さまは、成年皇族としての公務や皇室行事に出席するようになって、まだ間もない。コロナ禍の間は、女性皇族も控えめな装いを続けていたため、愛子さまのティアラ姿といえば、成年の儀式の際と、女性皇族が4年ぶりにティアラを着用した2024年の「新年祝賀の儀」と機会が限られていた。 しかし、これからは晩餐会を催す機会があれば、愛子さまがティアラを着用することもあるだろう。 今年2月、初めて公務として午餐(昼食会)に出席された愛子さまは、今後の「晩餐会デビュー」の機会が待ち遠しいところ。ローブデコルテとともにティアラを輝かせた愛子さまの姿を見るのが楽しみだ。 (AERA dot.編集部・永井貴子)
永井貴子