「不倫関係の女性と交際するには妻が死亡する以外に…」と検察側が主張 元長野県議・丸山大輔被告「殺害したのは私ではない」起訴内容を否認
テーマ「動機」
検察側は「被告は当時、別の女性と不倫関係にあり、離婚を考えていたが妻の実家から4000万円の借金があり、離婚すると返済を迫られる恐れがあった。女性と交際するには妻が死亡する以外に選択肢が無かった」とした。 これに対し、弁護側は、「不倫はあったが、被告と妻の関係は悪くなく、会社の経営や選挙活動の支援でかけがえのない存在だった」などとして、「殺害する動機は無い」と主張した。
テーマ「事件前後の被告の言動」
丸山被告は事件前の夜、同僚議員と会食し、議員会館に戻ったあとの「二次会」に顔を出し、その後、同僚議員に「明日の一般質問の原稿が未完成なので作成する」と告げて、議員会館の自室に戻ったとされている。不倫関係の女性に「今から一般質問の原稿を作る」とSNSを送ったという。 検察側は「被告人がノートパソコンを起動させてUSBメモリを挿入したが、原稿データを開かず1文字も入力していなかった。原稿はすでに完成済みだった」と主張し、「自室で原稿作業をしていたと装うためのアリバイ工作だった」と指摘した。 弁護側は「一般質問の原稿は完成していなかった。翌日の議会の一般質問で使う原稿を仕上げるための構想を練って就寝した」として、「アリバイ工作をした事実はない」としている。 防犯カメラ映像についてー 検察側は、「車で議員会館を出発、大通りを避けて細い道を通り、高速道路も使用せずに自宅に向かった」などと指摘。防犯カメラ映像などで立証するとした。 一方、弁護側は、「被告が議員会館の外にいたのを誰も見ておらず、防犯カメラに映った車も被告の車ではない」とし、飲酒もしており、「被告は議員会館から移動していない」と主張した。
テーマ「現場の状況・痕跡」
現場の状況については、検察側が「遺体に抵抗した形跡や逃げようとした形跡がない」「金庫しか、物色されておらず、事前に場所を知っていた人物の犯行」「現場にあった靴跡が、被告のテニスシューズのデザインと一致した」などとして、「被告人の犯行」と指摘した。 一方、弁護側は、「寝ている子どもたちに気づかれずに妻を呼び出すのは困難」「妻がどのような方法で殺害されたかもわからず、足跡も一致しているとは言えない」として、「第三者による犯行の可能性がある」と主張した。