【子育て】地方での子育てと都会での子育て どこが違って何がいい?「のびのび」という言葉の意味も考える
【地方の子育て】「のびのび育てたい」という魔法の言葉
筆者は祖母の家が絵に描いたような農村地域で、夏休みに祖母の家で過ごしていました。刺激的なことはないものの、庭先を飛ぶトンボやアゲハ蝶、祖母が育てる新鮮な野菜、夏祭りのお囃子、そして夜空に広がる星々の美しさは決して街中の家では経験できないことばかりでした。 地方の市街地に住んでいた筆者は、周囲を田んぼに囲まれた祖母宅で過ごした日々を夏になれば思い出し、貴重な体験だったと懐かしんでいます。 都市部でのせわしない生活の真逆に位置する地方での子育ては「のびのびと子どもを育てられる」という言葉で表現されることがあります。都会で子育てをすると習い事教室が充実していることもあり、幼児期から習い事を掛け持ち、忙しい毎日を送る子もいます。 のんびりと暮らすことは現代人にとって理想的な生き方の一つです。大人でも多忙なのに、本来ならば色々なことを経験し成長して欲しい子ども達も大人と変わらないくらい予定が詰まった日々を送っています。 地方で子育てをすると、少子化が進んでいることもあり子育て世帯への手厚い支援や、より広い住宅に住むことや地域のお祭りなどの行事に参加するなど都会では経験できないことができます。人とのつながりもあり、地域が一体となって子どもを見守り育てるという雰囲気があり、それが都会で子育てをしている人からすると魅力に映ります。 都会に住んでいる人が「我が子はこのまま成長していいのだろうか」と親は自問自答を繰り返すわけですが、しかし地方の子育てを凝縮した「のびのび」という言葉は色々な意味を含み、時には親を惑わすことがあります。
【都会の子育て】子どもの進路進学を考えると選択肢が豊富なのは都会
親が子どもが子どもらしく自然に触れながらのびのびと成長して欲しいと願う年頃は、おそらく生まれてから小学校3年生や4年生くらいまでではないでしょうか。 小学校高学年になると中学進学を目の前にし、その先の進学を考えるようになります。それまで「勉強も大切だけれど好きなことをやって欲しい」と考えていた親も子どもの学力が気になるようになります。 学年が上がり、博物館や美術館に連れていきたくても都会のように施設が充実しておらず、そういう場所に行くのも一苦労します。そして、地方だと中学卒業してからの進路進学の選択肢がかなり限られている事実にどう対処していけば良いのか悩むことも増えてきます。 子どもの数が少ないことは高校の数も都会に比べれば圧倒的に少ないことを意味します。そして、場合によってはバスや電車を利用して遠くの学校へ通学をすることもあります。 「子どもらしく色々な経験を積んで成長していって自分らしい道を探して欲しい」と考えていたのに、進路先が限定的になってしまうという皮肉な状況になることも珍しくありません。 ただし小学校高学年から高校にかけては都会との教育環境の差を感じることが多いですが、 地方の強みが高校以降の進学に活かせることもあります。 高校への進学先を決める時は通学できるかどうかを軸に探すことになりやすく大変な側面はあるものの、大学受験では総合型選抜で他の受験生とは違う経験をしてきたことをアピールできる強みや、条件付きながらも奨学金返還支援を行う取り組みを実施している地方自治体もあります。