長野県松本市の松商出身の穂苅康人さん インカレ十種競技で3位
長野県安曇野市出身で東京学芸大学大学院(東京都)2年の穂苅康人さん(24)=松商学園高出=が、9月に神奈川県であった学生陸上界最高峰の大会「第93回日本学生対校選手権大会(全日本インカレ)」混成競技(十種競技)で3位入賞を果たした。大会前の大けがを乗り越え、学生最後の挑戦で見事、表彰台に立った。 大会は9月19~22日にあり、混成競技は20、21日に行われた。穂苅さんは初日、得意の走り幅跳びで記録が伸びず、5種目を終えて8位。しかし2日目は110メートルハードルや円盤投げで安定した記録を積み上げ、最後は計7069点で銅メダルを手にした。4位の選手と7点差の接戦だった。 全日本インカレへの挑戦は3度目。昨年は僅差で4位となり、悔しさをばねに練習に打ち込んできた。調子を上げ、今年6月の日本選手権大会に初出場。しかし、競技中に左手骨折と右膝の靱帯(じんたい)損傷という大けがを負った。全力で走れるようになったのは大会直前の8月中旬だったが、走れない間に徹底した体づくりが結果につながった。優勝できなかった悔しさはあったが、達成感が勝った。「よくやった。やり切った」と自分を心からねぎらった。 高校2年の秋に混成競技を始めた穂苅さん。混成競技の魅力を「各競技の得手不得手の凹凸を埋めていく過程に、自分の成長を感じられる。2日間大会を満喫できるところも良い」とほほ笑む。現在は、卒業後も競技を続けられる進路を模索している。家族や仲間、恩師らの支えに感謝し「将来は長野県の陸上を支えられる人材になって、混成競技の普及に取り組みたい」と力を込める。
市民タイムス