今季大失速で4位の広島 打線強化へ球団史上初の「FA補強」可能性が
今季は新加入のマット・レイノルズ、ジェイク・シャイナーが稼働せずに途中退団と戦力にならなかった。助っ人外国人の実力は未知数だ。そこで注目されるのが、FA市場への参戦だ。阪神の大山悠輔、DeNAの佐野恵太がFA権を取得している。もし、今オフに権利を行使した場合は参戦の価値が十分にある。大山は阪神の四番を務め、昨年は最高出塁率(.403)のタイトルを獲得。38年ぶりの日本一に大きく貢献した。現役時代に同じ右の強打者として通算319本塁打をマークした新井監督の打撃を参考にしたことで知られる。複数球団の争奪戦になる可能性が考えられるが、広島移籍が実現すれば大きなプラスアルファをもたらす。
22年途中には秋山を獲得
広島の広陵高出身の佐野もミート能力と長打力を併せ持つ強打者だ。首位打者、最多安打のタイトルを獲得し、シーズン20本塁打以上を2度マークしている。一塁と左翼はレギュラーが固定できていないポジションで、補強ポイントに当てはまる。DeNAの前主将でリーダーシップもある。若手の手本になる人材だ。 広島は西川龍馬、丸佳浩、新井監督、金本知憲、江藤智、黒田博樹と主力選手たちが日米の他球団にFAで移籍した歴史がある。一方で育成に主眼を置くチーム方針のため、FAで獲得した他球団の選手は過去に一人もいない。 ただ、外部補強に消極的なわけではない。メジャー挑戦した秋山翔吾が22年のシーズン途中に日本球界復帰する際、西武とソフトバンクとの争奪戦を制して獲得に成功している。18年以来7年ぶりのV奪回へ。今オフは球団史上初となる「FA選手の獲得」に動くか注目される。 写真=BBM
週刊ベースボール