出発式で折り鶴を受け取る団員ら

　広島県広島市で6日に開かれる平和記念式典に参列する長野県の「高森町平和へのかけはし使節団」の出発式が5日、山吹の丸山公園平和の丘で開かれた。1983年に「非核平和都市宣言」を決議した町が、89年から続ける視察派遣事業。今年は町内の小中学生や町関係者ら22人が参加し、式典への出席や平和記念資料館の見学、被爆講話の聴講などを通じ、戦争や平和について考える。 　出発式では平和の鐘を打ち鳴らしながら黙とうし、戦没者を追悼した。あいさつに立った壬生照玄町長は「広島の地でより多くのことを学び、自分のものとし、帰ってきた後には町民の皆さんに伝えてほしい。町から世界中に平和を発信できるような学びを期待している」と述べた。 　高森南小学校6年生の児童は「本などで戦争を知る機会はあったものの、日本で起きたという実感が湧かなかった。実際に広島を訪れ、現場や資料を見ることで、広島で何が起きたのかを知りたい」と使節団に参加。「なぜ原爆が落とされたのか、被害はどのくらいの大きさだったのか、どんな影響があり、いつまで続いているのかなど具体的に学び、これからの生活や未来につなげていきたい」と抱負を述べ、バスに乗り込んだ。 　使節団には、町民らが平和への願いを込めて作成した折り鶴約14万羽が託された。折り鶴は記念公園内の慰霊塔にささげられる。