JX金属・三菱マテリアル…非鉄大手の通期、5社が当期益を上方修正した要因
非鉄金属大手8社の2025年3月期連結業績予想は、公表を見送った東邦亜鉛を除く7社のうち三井金属など5社が当期利益を上方修正した。自動車向けの需要が低調だった影響を受けたが、銅などの金属価格が想定を上回って推移したことを反映した。為替の円安効果も利益を押し上げる。 JX金属は情報通信材料の増販などにより、通期の営業利益を5月公表比200億円増の900億円と見通す。三井金属やDOWAホールディングス(HD)、日鉄鉱業も銅や金の国内販売価格の上昇などを受けて、通期の当期利益を上方修正した。 三菱マテリアルは足元と今後について「自動車と半導体市場の需要回復は当初の想定よりも緩やか」(小野直樹社長)と認識。伸銅品と超硬製品は下期も低調に推移する見込みから、通期業績見通しを据え置いた。 一方、住友金属鉱山は通期の当期利益を下方修正した。ニッケルやコバルト価格の下落と為替想定の見直しのほか、在庫評価の影響などを考慮した。 各社の24年4―9月期連結決算は、5社が当期増益となった。三菱マテリアルは実収効率の改善が奏功し、当期利益が前年同期比2・2倍の246億円だった。三井金属は微細回路の形成に適する極薄電解銅箔の販売増などで、当期利益が同4・5倍の370億円と伸長。東邦亜鉛は23年度の特別損失がなくなり、エンデバー鉱山譲渡の売却益が発生したため各利益段階で黒字転換した。 一方、JX金属は23年度に計上したカセロネス銅鉱山の権益売却に伴う一過性利益がなくなり、前年同期比で当期減益となった。