194キロ衝突死、危険運転か過失か28日判決…「制御困難な高速度」「妨害目的で接近」該当するか争う
大分市で2021年、時速194キロで乗用車を走行して右折車に衝突し同市の小柳憲さん(当時50歳)を死亡させたとして、自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致死)に問われた元少年(23)の裁判員裁判の判決が28日、大分地裁で言い渡される。大幅な速度超過など悪質な運転でも「危険運転」が適用されないケースがあり、危険運転のあり方が議論される中、28日の大分地裁判決が注目される。 【写真】事故で大破した小柳さんの車=遺族提供
起訴状では、元少年は2021年2月9日深夜、法定速度60キロの大分市の県道交差点で、制御困難な時速194キロで走行。右折を妨害する目的で進入して車に衝突し、同市の会社員小柳憲さんを死亡させたとしている。
公判では、元少年の運転が危険運転致死の要件となる〈1〉「制御困難な高速度」、〈2〉「妨害する目的で通行中の車に接近」――に該当するかが争われた。
検察側は〈1〉について、「路面には凹凸があり、平らでない」としたうえで、「194キロで走行すれば、車体に揺れが生じるなどし、ハンドルやブレーキのわずかな操作ミスで事故が起きる」と主張。現場は右折車を想定できる道路だったとして、「通行を妨害するのが確実と認識していた」と述べ、〈2〉の要件も満たすとした。検察側の求刑は懲役12年で、予備的訴因とした過失運転致死の場合は懲役5年としている。
一方、弁護側は〈1〉に関しては、現場は舗装された平らな直線道路だったとし、「道路に沿って直進できていた」と反論。〈2〉についても、「他の車への恨み、妨害の意図はなかった」と訴え、過失運転致死の適用を求めている。