RENEW10年目記念 福井の工芸 東京で出張展示
福井県丹南エリアに息づく伝統工芸の工房を開放するイベント「RENEW(リニュー)」が今年10年目を迎えるのを記念し9月7日、東京・南青山の県アンテナショップ「ふくい南青山291」で出張展示が始まった。職人たちが伝統を守りつつもモダンに進化させた工芸品が並んでいる。16日まで。 RENEWは2015年に越前漆器や眼鏡の工房が集積する鯖江市河和田地区で始まった。期間中は工房を開放し、職人との対話を通して商品を購入できる。RENEWの成長とともに参加事業者の間に個人向け取引(BtoC)の意識が高まり、これまでに工房併設型のショップが35店舗オープン。ものづくりに関心がある若者65人の移住にもつながっている。 展示では漆器、打刃物、和紙、越前焼、越前箪笥(たんす)、繊維、眼鏡の七つの工芸の伝統的な商品と、現代の生活に合わせた商品を合わせて展示。黒か朱色が中心だった漆器はカラフルな食器に発展しているほか、越前箪笥の指物の技術を使った木製コースターも並ぶ。 7日のトークイベントでは、RENEWのアートディレクター新山直広さん、イベントを主催する法人SOE(ソエ)の内田徹代表理事(漆琳堂社長)が歩みを振り返り「福井はアップデート工芸産地。時代の変化を受け入れ、力に変えてきた」と紹介した。 今年のRENEWは11月1~3日、過去最多の120社が参加して開かれる。