“iPhoneみたいな靴”キーン「ユニーク」が10周年で大豊作! 垂涎のラインナップから3足を厳選
欧文の綴りは“UNEEK”。“KEEN”を逆に並べ替えて、頭に“U”をつけた。それは友人のアイデアだったそうだが、ローリー Jr.は二つ返事でこれをモデル名とした。画期的なモデルである。モデル名もただのユニークじゃつまらないと考えたのだろう。 ちなみに、過去のインタビューでは「これは後から気づいたことだけど、“KEEN for You”と読めるね」と語っている。
構造から見直した注目の3足
アニバーサリーイヤーの今年、「ユニーク」は11ものバリエーションが登場した。1モデルでこれだけのラインナップが揃うのも稀だが、そのうちのいくつかはコンストラクションにまで踏み込んでいるというから力の入れようが伝わってくる。
なかでも注目したいのはインジェクション製法に白羽の矢を立てた「ユニーク ツー コンバーチブル」と「ユニーク ツー ハーベスト」だ。この製法は接着剤の使用が軽減される。「ユニーク」最上級のエコロジカルプロダクトを謳うだけある一足であり、アッパーにはリサイクルP.E.T.製のコード、フットベッドにはコルクシートが採用されている。
新たな可能性があるとすれば、要となるコンストラクションにも躊躇なくメスを入れる――。“ソリューション(解決)”を最重要課題として商品開発に取り組んできたキーンらしいスタンスである。
それはもう一足の「ユニーク オースリー」についてもいえることだ。EVAをセメント製法で仕上げることにより思わず声の出る軽さを実現した。値段も控えめなこのモデルは気軽に履けることもポイントであり、いわば“軽”のダブルミーニングとなっている。 付け加えれば、「ユニーク ツー コンバーチブル」はその名のとおり、ヒールカウンターをスライドさせられるツーウェイ仕様、「ユニーク ツー ハーベスト」はワラチをベースとしたデザイン、「ユニーク オースリー」はキッチン用のコレクションで培った防滑性の高いソールも見どころだ。キーンにはキーン ユーティリティという働く男のためのコレクションがある。 竹川 圭=取材・文
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