ホンダの「日産救出」は成功するだろうか
日本の自動車業界が地殻変動の岐路に立たされている。不動のトップランナーであるトヨタを追撃していたホンダと日産が経営統合推進を公にしたことで、数十年間続いた3強構図が2強体制に再編される兆しを見せている。市場では経営統合の効果をめぐって期待と懸念が交錯している。急激な業績悪化で破産危機説まで提起された日産が、ホンダという「救援投手」に会って急場しのぎはするが、経営統合の長期的な成否は不透明だという分析が出ている。 24日、東京証券市場で日産自動車は前日終値に比べ6%上昇した477円で取引を終えた。ホンダとの経営統合を検討しているという最初の報道があった18日、1日で23.7%急騰した後も続いた上昇傾向が、23日の統合推進の公式発表で再び弾みがついた様子だ。一方、ホンダの株価は報道後2日間で4.9%下落したが、23日に統合推進とともに発表された約1兆1千億円規模の自社株買い計画に支えられ、この日は12.2%上昇。市場は両社間の経営統合を、ホンダには多少の悪材料として、日産には好材料として認識したということだ。 今回の経営統合はホンダの日産買収に近い。形式的には両社を完全子会社とする新設持株会社の取締役会の過半数をホンダが任命する。合併会社の代表取締役をホンダが指定するわけだ。資金力と財政健全性の面でもホンダが日産の責任を負う構造だ。ホンダは9月末基準で4兆6223億円の現金性資産を保有しており、負債比率は131%に過ぎない。一方、日産が保有している現金は1兆5200億円。7~9月だけで営業活動などに6062億円を純支出したことに照らしてみれば、余裕があるとは言えない水準だ。 日産は今会計年度に入って業績が急激に悪化した。上半期(4~9月)の営業利益は329億円で、前年同期(3367億円)比90%急減し、収益性の指標である営業利益率も同期間に5.6%から0.5%に縮小した。最大市場である米国では41億3千万円の営業赤字を出し、当期純損失748億円を記録した。主要市場である中国では現地企業に押されて販売量が5.4%減り、最大市場である米国では無理な価格割引(インセンティブ支給)に乗り出した影響だ。 日産は1999年にも破産の危機に追い込まれている。レジャー用車両(RV)の人気に適時に乗れなかったうえに、過度な借り入れに依存して危機を招いた。フランスの自動車メーカーであるルノーに買収され危機を免れたが、20年余りが過ぎて再び外部の力を借りて危機を免れる身になった。市場の変化を逃し、放漫なコスト構造を改善できなかった敗着を繰り返した結果だ。 危機の核心は結局、商品の競争力が劣る点にある。日産のラインナップにはハイブリッド車がない。純電気自動車(BEV)モデルもリーフとアリヤの2種だけだ。中国を筆頭にグローバル市場がEV中心に転換する中で、過渡期を乗り切るハイブリッド製品も、未来を期待させるEVの技術力も不足している。2010年、世界で初めてBEVの量産モデルであるリーフを発売したにもかかわらず、市場をリードすることに失敗した。車内のインフォテインメント技術は、中国メーカーと比べても劣るという評価だ。「コストパフォーマンス」の良い軽自動車中心の日本国内市場が、先端技術に果敢に投資する誘引を提供できなかった結果だ。日産は企業回生のための苦肉の策として9千人規模の人員削減と生産能力の20%縮小などを推進するというものの、コスト削減の努力だけでEVとソフトウェア定義車(SDV)を中心に急変する市場で持ち直しが可能かは不明だ。 ホンダもこれといった方法があるわけではない。EVや自動運転技術力で後れをとり、中国市場から押し出され、収益性が悪化している事情は同じだ。経営統合のシナジーをめぐって疑問が提起されるのもこのような背景からだ。サムスン証券アナリストのイム・ウニョン氏は「ホンダ、日産のいずれもEV、自動運転車の技術で劣位を示しており、シナジー効果は不透明だ」とし「ホンダの自動車部門のハイブリッド技術は優れているが、大型車クラスへの拡張性に劣る」と指摘した。 かつて日産の会長として日産の構造調整を率いたカルロス・ゴーン氏は20日、ブルームバーグテレビのインタビューで「両社は同じ分野で強みと弱みを持っており、ビジネス上の補完関係が明確でない」とし、「合併は成功できないだろう」と述べた。 ナム・ジヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )