「こりゃ今まで以上に大切にしないとな」新品並のセダンを引き継いだオーナーの思いとは
ハードトップとセダンの違うところは、エンジンと内装である。ハードトップは2L直列6気筒のみのツインターボが付いている走行重視に対し、セダンはツインターボは付いていないものの、エンジンの種類が豊富で、かつ内装はハードトップよりも広いため、快適性重視であった。 【画像17枚】ファブリックシートやセンターコンソールなどの内装も一切傷がついていない新品同様のセダングランデ。ツインカム24も同じデザインとなるグランデの純正オプションのアルミホイール 【我が名はGX71 トヨタ マークⅡ セダン グランデ】 その反面、実用車としてのキャラクターが強く趣味的人気が薄かっただけに、現存するセダンの個体はハードトップよりも格段に少ない。ハチマル車が集まるイベントでも、71系マークⅡはハードトップばかりで、セダンを見かけるのはまれ。 しかし、あるところにはあるもので、希少なフルノーマルの後期セダンを発見。この個体を所有するのはオーナーで、13年前に友人が「手放す」というので譲り受けたそうだ。だが、71マークⅡに特別な思い入れがあったわけではなく、走行距離がたったの1.9万㎞で、友人がとても大切にしていたため、その思いを引き継ぐ気持ちで受け取ったそうだ。 実際、取材時にも「そんなに珍しいのかね。71マークⅡなんてたくさん走ってたのにな」とオーナー。しかし、譲り受けたときの気持ちは褪せることなく、「こりゃ今まで以上に大切にしないとな」と語った。 OWNER’S VOICE 走行わずか30000km台の奇跡のコンディション オーナーがこの個体を入手したのは13年前の18年前の2004年。 「友人が『乗らないから』というので譲ってもらったんです。フルノーマルで当時はたったの19000kmしか走っていなかった(取材当時は37000km)。しかも新車時のタイヤを履いていたんですよ」 とオーナー。前オーナーがそうしていたように、オーナーもクルマを濡らさないように雨の日には乗らず、シャッター付きガレージ(倉庫)に保管しているそうだ。 「こんなクルマはないから、これからも大事にします」と語った。 マークⅡ セダン グランデ (GX71) 全長×全幅×全高(mm) 4650×1690×1415 ホイールベース(mm) 2660 トレッド前/後(mm) 1425/1440 車両重量(kg) 1280 エンジン型式 1G-EU型 エンジン種類 直列6気筒SOHC 総排気量(cc) 1988 ボア×ストローク(mm) 75.0×75.0 圧縮比 9.2:1 最高出力(ps/rpm) 130/5400 最大トルク(kg-m/rpm) 17.5/4400 変速比 1速2.450/2速1.450/3速1.000/4速0.688/後退2.222 最終減速比 4.100 ステアリング ラック&ピニオン サスペンション前/後 ストラット/セミトレーリングアーム ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも) タイヤ 185/70SR14(前後とも) 発売当時価格 224.0万円 初出:ハチマルヒーロー 2017年3月号 Vol.40 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部