<女性インタビュー>2024年春、北朝鮮内部はどんな状況か(2)「断韓」と恐怖統治の実状とは
◆緊急逮捕に死刑まで、恐怖で外を歩けず
――以前より住民統制が厳しくなったと聞きました。具体的にはどのような状況ですか? さっきも言ったように、誰も一言もまともに話せない世の中になりました。近しい人や親戚までも遠ざけなければならない世の中になりました。 大したことでもないのに見せしめとして教化(懲役)に2年送り、ささいなことで銃殺し、最近は緊急逮捕というものもできて、事件に関連した人は場所に関係なく捕まっていきます。恐ろしくて外を歩けないほどです。昨年から銃殺が3回ありましましたが、今も(死刑執行)対象者が多いそうです。 ※2023年8月から12月の間、恵山(ヘサン)市だけで3回の公開処刑が行われて12人が死刑になった。 ――周りの人たちも、皆怖がっていますか? はい。上からやれと言われたことだけをして、見ろということだけを見て。特に脱北者の家族たちは、ともすれば監房に連れて行かれるので話もまともにできずに暮らしています。言葉を間違えると監視されてどうなるか分かりません。法を守らないなら死ね、罪も犯す前に自首しろ、申告しろと。そういう制度を作ったんです。何かに引っかかれば死にます。一体どうしてこうなのか分かりません。 ※アジアプレスは中国の携帯電話を北朝鮮国内に搬入し連絡を取り合っている。