【漫画家に聞く】刺さる人にはブッ刺さる! SNS漫画『色気と雰囲気つよめな喫茶店のお兄さん』の“照れ顔”に悶絶
気になる喫茶店の妖艶な男性店員が自分に優しい――。日常だけど、どこかドキッとするシチュエーションを描いた漫画『色気と雰囲気つよめな喫茶店のお兄さん』がXで人気を集めている。 刺さる人にはブッ刺さる! 漫画『色気と雰囲気つよめな喫茶店のお兄さん』 「読者に萌えてもらいたい」と願ってペンを動かすという作者・いしだ伊織(@ishida_iori_)さんの描く世界観は、どう着想されているのか。その創作の裏側に迫ってみたい。(小池直也) ――本作の反響はいかがですか? 印象的な感想などがあればお願いします。 いしだ伊織(以下、いしだ):「ひとりでも刺さって萌えてくれる人がいたらいいな」という感じで描き始めたので、思いのほか好評を頂けてありがたいですね。「単行本はいつ出ますか?」とのコメントが1番嬉しかったです(笑)。 ――色気のある店員と女性客の物語を描こうと思ったのはなぜ? いしだ:色気と照れ顔が好きなので、その要素を入れ込んだ男性キャラを描きたかったんです。喫茶店という身近な場所を舞台にしたのは、過去に「もしかしたら身近で起こるかも……と思える話を描くのが上手いですね」と褒め言葉をいただくことが多かったからでした。 ――作画やキャラデザインで意識したことは? いしだ:阿川さんは一見妖しげな雰囲気にしたかったので、黒目/黒髪/片目隠れにしています。登場時は敵か味方かわからないけど、最終的には味方になってくれるキャラを好きになることが多いんですよ(笑)。その影響は受けているなと感じます。 藤代ちゃんについては、最近見た韓国ドラマのヒロインの笑顔に惚れ惚れしていたので、笑顔の素敵な子にしよう……と意気込んで描きました。 ――阿川さんの方言はどこの方言でしょうか。なぜそのなまりに決めたのか理由も気になります。 いしだ:最近、関西弁男子を描くのにハマっているんですよ。関西弁にするだけで独特の色気が出る感じがして、すごく好きですね。特に1話の「緊張してはります?」という台詞が気に入っています。 ――各エピソードは自身の体験や理想のシチュエーションなどを元にされているのでしょうか。それとも何かイメージなどがあるのでしょうか? いしだ:シチュエーションについては理想というより、完全なる妄想です(笑)。その代わり、細かいネタはリアルから取ることが多いですね。実際、昔初めて行った飲食店の店主さんが気さくで面白い方で、食後に「これお客さんからもらったから食べて」と缶のクッキーを出してくれたこともありまして。それを思い出して第1話で使いました。 ――創作におけるインスピレーションはどんなところから湧いてきますか。 いしだ:ツボに刺さる作品に出会うと、自分も何か描きたくなりますね。その勢いで創作してしまうことが多いです。 私は描いたものをすぐに出したい欲が強い人間なので、pixiv関連のサービス(BOOTHやFANBOXなど)には助けられているなと思います。素敵なお仕事のご縁をいただいたり、未完成/ボツにしたものも含めて創作物を気軽に出せる場があることがありがたいです。 ――憧れ、影響を受けた作品や作家はいますか? いしだ:河内遙先生の作品が大好きです。お話やキャラはもちろん、コマ割りや背景の細かい所までもが素敵で憧れなのですが、特に先生の描かれる男性陣が堪らなく好きです。仕草や表情や台詞から滲み出る大人の色気が本当にカッコいい……。 ――作家としての展望、なりたい作家像を教えてください。 いしだ:これからも栄養補給みたいな感じで萌えてもらえる作品を描けたらと思っております。あとは「この人楽しんで描いてるな」と思われるような漫画描きであれたら嬉しいです。
小池直也