NHKの奇妙な記事に危険な腐臭 女性だからではない〝能力欠く〟英利アルフィヤ氏 政治家は性別ではなく能力や資質で判断されるべき
【岩田温 日本の選択】 奇妙な記事が目に入った。「女性議員へのひぼう中傷 背景に何が」と題するNHKの記事(11月30日)である。大臣政務官の人事において女性議員が登用されたことに対する非難がSNSで相次いでいるという。 【写真】外務政務官に就任した英利アルフィヤ議員 外務政務官に就任した自民党の英利アルフィヤ議員には、「女なら誰でもいいのか」といった投稿や、人格をおとしめるような内容の投稿がみられるようになったという。本人は次のように語っていた。 「政策ではなく自分のアイデンティティーやルーツの面でさまざまな壁にぶつかることに驚いて、当初はどうしていいか分からなかったというのが正直なところです。それまで国連や日本銀行で一生懸命、真摯(しんし)に仕事をしてきたつもりだったのですが、それがすべて、信頼がない人のようになってしまったのが本当につらかったです」 先の衆院選の結果を見てみよう。彼女は小選挙区の千葉5区(市川市南部・浦安市)で敗北している。地元有権者は、小選挙区では彼女に「否」の声をあげた。比例復活した、いわゆるゾンビ議員が政務官に就任したわけだ。 私は彼女のことを何度か批判してきた。それは彼女が女性だからではない。彼女のルーツが外国にあるからでもない。端的に言って「政治家として能力を欠く」と考えているからだ。 彼女は自身のショート動画「質問に答えてみた 選択的夫婦別姓について」で、次のような主張を展開している。 「えりアルフィヤは、自分の名前は自分で選ぶこと。これは人権だというふうに思っています。一人ひとりが自分が望むかたちで、自分の名乗り方、選べること、すごく重要だと思っているし、もちろん結婚した後、結婚した相手の姓を取りたいという考えもあるべきだし、そうしないっていう権利もあるべきだし、それぞれ自分にあったアイデンティティーを選べることが本当の人権の姿だと思っています」 人権について分かっていない、誠に愚かな発言だと思う。生まれてきたとき子供は自分の名前を選択できない。誰かが与えなければ名前は成立しない。仮にこれが人権侵害だとするならば、世界中で生きるほとんどの人々が人権侵害を受けているという状況になる。 NHKの冒頭の記事は、冷静に分析してみると危険なプロパガンダの腐臭が漂う。女性であるから批判されるという議論がまかり通れば、無能な議員が女性であった場合、否定や批判することが差別的行為であるかのように捉えられかねない。